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お菓子作りで作文の授業~NYレポート2-③

P.S.76の言語指導の授業3つめは、クリスマス用の飾り菓子の生地を作るという活動。特別クラス4年生の子どもたちです。

ちょうど時期的に、クリスマス絡みの製作などを盛り込んだ授業は多かったのですが、行事に振り回されるのではなく、一つひとつの活動にきちんとその時間の目標が設定されています。この授業も、お菓子を作って「あ~、楽しかったね」・・・・ではなく、

「COPS」にもとづいて、文の添削をし、それによってことばの理解や作文の力を伸ばすことを狙っていることが(先生だけではなく、参加している子どもたちにも、ヴィジターである私にも)明確です。

「COPS」については、以前CRNの連載の中でも少し説明しましたが(→こちら)、作文を見直すときのポイントを頭文字で示したものです。

COPS

Capitalization(大文字)、Organization (構成)、Punctuation(句読点)、Spelling(綴り)

のそれぞれ頭文字をとっていて、SAを受講した先生たちには定番の手法の一つです。

この授業では、はじめに飾りクッキーの作り方の説明を聞き、Photo

Photo_2

それをもとに、「作り方」の文をみんなで確認し直していきます。

2枚目の写真はちょうど「knead(こねる)」という単語の話をしているところで、これは「need(必要とする)」と同じ発音だけどスペルが違うから気をつけてね。こっちの「ニード」は、こっちの方よ・・・・と、こねる動作を先生がして見せているところ。これがあとから、子どもたちにスペルをチェックさせる時のカギになります。

そして、まずはCOPSのOから、文の順序が正しいかどうかの話し合い。Photo_3

Photo_4

順序が間違っているところは入れ替えます。

同様に、大文字・小文字、句読点、つづりと順にみんなで話し合ったり、分担して直しを入れたり。Photo_5 Photo_6

言語指導や特別クラスの授業に限らず、通常クラスのwriting(作文)の授業でも、こんなふうに構成や文法、綴りについて子どもたちに考えさせたり話し合ったりする場面をアメリカでは何度か見ているのですが、日本の国語の授業ではあまり見かけませんよね。日本はどちらかというと書かれている内容重視で、文法のミスや句読点の抜けているところは先生が赤ペンで直しちゃうというのが多いのでしょうか?

米国の場合、移民が多いなどの事情が背景にあるとは思いますが、英語の時間のみならず、常に言葉の意味や文法を押さえさせてるなぁと感じます。日本人は、母語が日本語という人が圧倒的多数を占めるので、読む・書く・ことばの意味や文法は自然と身につけているのが前提になってしまっているのかもしれません。でも、ことばや読み書きに弱さを抱える子どもたちにとっては、先生がそれを教えるノウハウを持っているかいないかで、大きな差が出てしまうのではないかと、少し懸念しています。

さて、最後はお楽しみのお菓子作り♪Photo_7 Photo_8

ワクワク、ウキウキ。だけど、学習のめあてが明確な授業は、楽しいのなかにきちんと「学び」を定着させる仕掛けが施されているのです。みんなで直したレシピにそって作ることで、文を正しく直すという目標が達成できていることも自然と確認できるし、料理とか工作など「順番」がはっきりした題材は、文の構成を勉強するにはうってつけですね。

クリスマス菓子は「飾り」でも、

遊びじゃないのよ授業は♪♪♪ (はっは~)

紅白、初詣、お雑煮、おせち、箱根駅伝、笑点・・・・今年はわりとお正月らしくのんびりしつつ、今のうちに溜まった仕事を片付けようと、気持ちばかり空回りする三賀日です。明日から甥姪たちが来るので、パソコンを避難させなくては。

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