たこ焼き屋の謎|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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たこ焼き屋の謎

前回の話から続いています。

自閉っ子Lくんの買い物の話、崖から突き落とすまでもなく、子ライオンはとっくに成長していたのですが、

実はいちばん伝えたかったのは、お店の人の対応のことなんです。

「買い物の練習してます。よろしく」というだけ、超~説明不足だったにもかかわらず、山口智充似の店員さん、他のお客さんには「お決まりでしたら、どうぞ」とか、そんな言葉で応対していたところを、Lくんには

「たこ焼きですか? たい焼きですか?」

「あんこと、クリーム、どちらですか?」

と、選択肢を具体的に挙げて聞いてくれました。

だからLくんも、何を聞かれているか、何を答えなければいけないかがすぐにわかるので、ちゃんと自分で答えられたのですね。

それも嬉しいことに、決して子どもっぽい言葉遣いでなく、一人のお客さんとして接してくれていました。だからたぶん、私が早とちりせず母ライオンに徹することができていたら、Lくんは何の違和感もなく他の人たちの目に映ったんじゃないかと思います。

断っておきますが、私はその店員さんとは知り合いでも顔なじみでもありません。

ところが、じつは、このたこ焼き屋さんで、去年も同じような出来事があったのです。

別の自閉っ子と、やはり買い物の練習でたこ焼きを買いに行った時、ハタチぐらいの店員のお姉さんがいました。そのお姉さんは、写真つきのメニューを見せて、「どちらにしますか?」と聞いてくれました。ふつうの「たこ焼」と「ねぎたこ焼」があって、自閉っ子くんは指差して「たこやき!」と答えました。

たこ焼が焼けたら、「ソースはぬっていいですか?」「かつおぶし、かけますか?」と、一つ一つ実物を示して聞いてくれました。

それから「マヨネーズは、マスタード入りのと2種類あるんですけど・・・・」と言いかけて、彼が理解していないと見るや、一方の手に赤い柄の袋のマヨネーズ、もう一方の手に黄色い柄のマヨネーズを載せて、「普通のマヨネーズと、辛いマヨネーズ、どっちがいいですか?」と聞いてくれました。自閉っ子くん、元気に「ふつうのマヨネーズ!」と指差して答えました。

私、そばで感心して見ていました。アルバイトのお姉さんの応対に・・・・。

あの時のお姉さん店員といい、今回の山口智充似のお兄さん店員といい、同じたこ焼き屋で、まるで「光とともに」に登場しそうな理想的な自閉っ子対応をしてくれたのは、偶然???

実は私たち、以前から商店街のお店やスーパー、ファストフード店やファミレスも含め、買い物学習に使う可能性があるお店に、A4大のカードを配って回っています。「自閉症の子が買い物の練習に行きます。自閉症とはこういう障害です」ということを、簡潔に書いたものです。

  • 返事をしなかったり独り言を言っているときは、聞かれた意味がわからないのかも→選択肢を出したり、絵や写真を見せて、わかりやすく聞いてみてください
  • うろうろ、ぴょんぴょんしているのは、次に何をしたらいいのかわからないのかも→「こちらに並んでください」など、どうしたらいいのかわかりやすく伝えてあげてください
  • パニックになっているときは→落ち着くまで待ってから、そっと声を掛けてあげてください

などなど、対応のポイントもイラスト入りで示してあります。

もしかしたら。

たぶん。

おそらく。

あのたこ焼き屋さんには、どの店員にも目に付く場所に、あのカードを置いてくれているのではないか・・・・そんな想像(というか勝手な期待)をしています。

たこ焼き屋さんだけでなく、自閉っ子の彼らへの対応がスムースになったお店は、他にもいくつかあります。

それって、自閉っ子のためだけじゃなくて、小さい子や、外国人や、耳の遠いお年寄りや、・・・・みんなみんなにとって嬉しいことだと思います。

彼らを買い物できるように訓練する、という考え方から、彼らが買い物できるようなお店、地域にしていく、という考え方へ。この子たちには地域を変える力があるのではないでしょうか。いえ、少しずつだけど確実に変えていっている気がします。

さて、あと一息まできたので、今夜も更新です。早く解放された~い(笑) 1クリック応援、よろしくお願いします。

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