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「字をうまく書けない」ことが「理解」や「思考」を妨げないためのバリアフリー

今日は久しぶりに学習支援シリーズ「運動機能編」、書字運動機能に弱さを抱える子どもたちへの支援の話に戻ります。

(書字運動機能の話1回目は→こちら  2回目は→こちら  運動機能編まとめ読みは→こちら

本人の落ち度ではなく、また、その子の他の様々な能力とは関係なく、字を書くことが極端に苦手な子どもたちが存在します。

他の機能と同様に、運動機能も、それ一つで働くわけではありません。テニスをするにも、「あ」という字を書くにも、注意を向けてその行動に注目したり、その行動を起こそうと意識し、どうやって動かすのか順番を思い出しながら、筋肉を操作します。

「あ」という字を書くためには、まず、これから「あ」という字を書くぞという意識を持ち、「あ」という字を頭に思い浮かべて、「あ」という字の書き順を思い出し、鉛筆を持つ手の力加減を調節しながら横や縦に鉛筆を動かす・・・・という一連の動作をおこなわなければなりませんが、多くの人たちはそれはもういちいち考えなくても自動的にできます。(自動化)

ですが、何かしらの機能の弱さから、文字を書くという動作が自動化されていない子は、そのどこか(注意を向ける、思い出す、指の筋肉を動かすなど)でつまずいていて、そこにたくさんの時間とエネルギーを割かれます。

他の人たちが、なにも考えずにすらすら字を書けることで、ノートにメモを書きながら先生の話に耳を傾けたり、どんなことを書くか内容や構成を頭に思い浮かべながら作文を原稿用紙に綴っているとき、「字を書く」ことにつまずいている子は、「字を書く」ことにいっぱいいっぱいで、理解したり考えたりしたりすることに時間とエネルギーを割く余地がなくなってしまうのです。

このことは、学習において重大なハンディとなることは、想像がつきますよね。

逆にいえば、そのハンディを取り除くことが、支援の方向の一つ。

視力の悪い子には、メガネが必要です。あるいは、座席を前の方にするといった配慮も。視力の弱さが、学習や生活に支障をきたさないように。

では、書字運動機能に弱さを抱える子には、どんなメガネが必要でしょう?

アメリカ視察で、へぇ!と感心したのは、書字にハンディのある子には「筆記試験の際は余分に時間を与える」とか「本人の解答を代筆者が口述筆記」などの特別な配慮が、わりと一般的に行われているらしいこと。こういう支援が日本の学校教育の中で「当たり前」になる日が、果たしていつ来るか・・・・。少なくとも、授業中板書を写す時間を確保してあげるとか、作文の文字数を本人が可能な量に調整して達成感を得られるようにするとか、そういう配慮って、視力の弱い子の席を前列にするのと同じです。

自分にあった筆記用具やノートを認める(というか、一緒に見つけてあげてほしい)ことや、あるいは状況や年齢に応じて、レポートなどの提出物をコンピューターで仕上げることを認めるとかも。(レヴィーン氏は、筆記よりもタイピングの方が指の動きは単純だから、書字運動機能の弱い子にはできるだけ早いうちにタイピングを教えるべきだと強く勧めている)

そんなことをノートも鉛筆も「みんな統一」の日本の学校教育文化圏で言うと、イスラム圏で女性がTシャツ短パン姿で歩くときぐらいの様々な反応(新奇のものに対する好奇の目から、異質者への冷たい視線、「我々の文化を馬鹿にしているのか」的な反発や「我々の伝統を守らねば」的な強い抵抗、・・・・) 

侵略や戦争をしようと思っているわけではなく、異文化が互いを理解し認め合いながら、少しずつ時間をかけて折り合いをつけていけばいい、・・・そんな風に私は考えています。

でも、これだけは忘れないでください。

「特別扱い」じゃなくて、視力の弱い子にとってのメガネ、なんです。

「学ぶ=書くこと」じゃないですものね。もちろんそれも含まれているし、書くことで頭の中を整理したり、表現したりすることが多い。でも、書くことが「理解」や「思考」の障壁(バリア)になってしまっている場合は、取り除いてあげなければ。

支援の方向性は、もう一つあります。

でも、もう午前3時半。続きは今度に。

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※参考文献 「<できる>子どもの育て方」、"The Mind That’s Mine"  Dr.Mel Levine

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