課題に子どもを合わせるのではなく、「子どもに課題を合わせる」ということ。③|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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課題に子どもを合わせるのではなく、「子どもに課題を合わせる」ということ。③

前々回前回から続いています。

今度の例は、また違う学校、違うクラスの、違う先生とお話したことです。

そのクラスには、何らかの発達障害の診断がついているわけではないけれど、学習面および行動面で配慮が必要と思われる子が3~4人いました。

私が参観したのは、国語の時間でした。いわゆる「マル読み」(※注 丸々読むわけではありません。句点(。)ごとに交代して、クラス全員でリレー式に音読していくこと)で、あるお話を音読していたのですが、やはり、決まった子のところで止まってしまいます。

隣の子に「ここだよ」と教えてもらって、あわてて読む子。教えてもらっても、読み方がたどたどしい子。

その先生も、学級経営が抜群にうまい先生でした。わからない子を馬鹿にするような子は、このクラスには1人もいません。困っている子には、周りの子が手を貸す、というのが自然とできる子たちに育っていました。

でも、先生はそこを心配もしていました。みんなが親切なのはいいことだけれど、教えられる子の自立を考えると、いつも隣の子に助けてもらってその場を凌ぐだけでいいのだろうか、と。私も同感です。そこで、たずねてみました。

「今日マル読みについていけなかった、○○くんと、△△さんは、宿題の答えあわせをみんなでやる時などでも、聞き取れなくて追いつけなくなったりしませんか?」

「します、します。そういうこと、よくあります」と、先生。

「耳から入る言葉だけでは、追いつけない子もいます。マル読みだと、どこを読んでいるのかわからなくなって焦ったり、自分の番にどこを読むことになるか予測がつかないから必要以上に緊張したりしているかもしれません。あるいは、どうせ自分ではわからないから、と教えてもらうまでボーっとしてしまったり・・・・。それより、たとえば本読みの宿題を出す時に、事前に授業で読んでもらう箇所を割り振っておく、ついでに、その子が『誰の次』に読むかもわかるようにしておいてあげれば、○○くんや、△△さんのような子には、音読の時間も自分から参加できるのではないでしょうか。それに、読むのが苦手な子なら、とりあえず自分の担当の箇所だけはしっかり練習してくる、という目標も立てられますし」

こんなふうに。Ondoku

すると先生は、目を輝かせせておっしゃいました。「そういえば! 授業参観のときに、お話を劇にして発表する課題は、あの子たちもがんばって練習して上手に言えたんです。そっか、そうだったんですね」

このやり方なら、もう一つメリットがあります。「全員が同じ量じゃなくていいわけで・・・・」と私が言いかけたら、続きを先生が引き取りました。「音読の得意な子は長い部分を、苦手な子には負担にならない長さのところを割り振ればいいんですものね! さっそく次回から、そうしてみます」

さすが、飲み込みが早いですね、先生。

いつもの授業の何気ないことでも、見直しポイントはいっぱいありますね。

さて、油断していたらベスト10圏内から外れてしまいました。

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