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先生によって理解があったり、なかったり、じゃ困る。。。「合理的配慮」が義務になりますよ①
(どんぐりクリニックの前に、寒桜が咲いています)
発達障害のお子さんについての支援や相談の仕事をしていると、こんな言葉をよく聞きます。
「今年の担任の先生は理解があって、いろいろと配慮してもらえているので、順調です」
とか、逆に
「今年の担任は理解がなくて、まったく支援がなく困っています」
といった、「今の担任は」たまたまラッキーなことに、あるいはアンラッキーなことに、という表現。
特別支援教育は2007年度から実施されていますが、いまだに、こんな感じです。
ちょっと例を変えてみましょう。たとえば、
「今年の先生は理解があるので、この子が視力が悪いことに対して座席など配慮してくれるのだけど、去年の先生は理解がないので、目が悪くて見えないにもかかわらず後ろの方の席で困っていたんです」
というケースだったら、どうでしょうか?
もしかすると、「あるある」という声もあるのかもしれませんが・・・
大方の見方とすれば、これって不合理な話だと思うのです。
目が悪くて、黒板や先生が示すものが良く見えなかったら、学習上支障をきたしますからね。
もっと極端な例にしてみましょう。
「今年の先生は理解があるので、この子が乳製品アレルギーであることに配慮してくれるんだけど、去年の先生が理解がなくて、給食で牛乳を飲まないのはワガママだとか、クラスで残食ゼロを目指しているのに残してはいけないとか言われて困った」
なんていうケースが、当然あってよいはずがなく。
その時の先生が“たまたま理解があったりなかったり”じゃ、困るんです。
ですので、発達障害のお子さんの特性に関しても
今年の先生は理解がないので、担任が替わる来年に期待して待つばかり・・・とか
この学校は発達障害への司会や支援についての意識が高いけど隣の学校は全くない・・・なんて話が
ひっきりなしに耳に入ってくる今の状況は、何とかならないものかと思います。
ご存知のように、再来年、平成28年4月から、障害者差別解消法が施行され、学校(公立)でも障害による不利益が生じないよう個別のニーズに応じて配慮する「合理的配慮」が責務になります。
即ち、これまで「○○先生は、わかってくれた。してくれた」「△△先生は、理解がなかった。認めてくれなかった」ということではなくなるはずです。
では、どんな配慮をしなければならないのか?っていうと、それは個々のニーズによるので、一概には言えませんし、まだまだ十分な議論がなされていないようにも思います。たとえば米国では、「読みが困難な生徒がテストの問題の読み上げを求めたり読み上げソフトが使用できるようにする」とか、書字の困難があるためPCでの入力や音声入力」などなど、色々な例を聞きますが、
どんな配慮が必要か?は、配慮する側が一方的に決めたりお仕着せたり制限したりするモノではなく、当事者の声に耳を傾け、障害特性によって生じる困りを解消するためにすべきことをする(「してあげる」ではない)ものではないのです。
現場の先生方に、このことがどの程度浸透しているのか・・・「今年の先生は・・・」の声を聞くたびに、ちょっと心配になっているこの頃です。
ところで、合理的配慮の概念が法的な裏付けを持った今、
当事者側も、自分にどんな配慮があれば、支障を軽減できるのかを知り、伝えていく必要があると思うのです。その”自分を知り、自分のニーズを伝えられる力”は、「みんなに合わせる」ために頑張らせるための支援では育てられません。
「きみは、こういう特性があるよ。その特性は、こういうやり方をすればうまくいくよ」ということを、当人である子どもたちに知っていってもらうことが、私たちの大きな役目だと思っています。
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