母乳の良さと、困った母乳原理主義者たち|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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母乳の良さと、困った母乳原理主義者たち

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朝、保育園のバザーに出品するため、息子の赤ちゃん用品を整理しました。
息子が起きてきたので、哺乳瓶を見せて「これ、誰のか知ってる?」と聞くと、「あかちゃん!」と答えてニッコリします。
膝の上に横抱きして「こんなふうにミルク飲んだの、覚えてる?」と問うと、照れながらうなずく息子。「もうお兄ちゃんになったから、哺乳瓶バイバイしようね」と話して、ゴミ箱へ。
1歳の卒乳の時よりも、二人で儀式ができた今日の方が、しみじみと区切りを実感できたような気がします。
子どもの発達と遊びの話に入る前に、「母乳育児」のことに触れておきたいと思います。
私が息子を産んだ産婦人科医院は、自然分娩、母乳育児を推進する、アットホームで温かいクリニックでした。分娩直後のカンガルーケア、母子(父も)同室、入院中は母乳に良い玄米食中心の食事、助産師さんたちの母乳指導やマッサージなど、とてもよく応援してもらいました。
が、私の場合、それでも母乳がなかなか出ず、息子の体重が順調に増えない。母乳は赤ちゃんが吸うことで出るメカニズムなので、すぐにミルクに切り替えてしまうと、母乳も出なくなってしまうそうです。だから、助産師さんたちも、息子の体重の増え具合を見つつギリギリのラインで、足していくミルクの量を見極め指導してくれました。
心配した祖父母の「まだ母乳は出ないのか?」「なんでミルクもっとやらないの?」という一言、一言が、産後の情緒不安定な心に刺さります。
引き続き、保健センターでも小児科の先生に経過観察と相談をしてもらいながら、母乳の後に飲ませるミルクの量が少しずつ増えていったのですが、
母乳マッサージ専門の助産院に電話すると「そんなにミルクをあげるから母乳が出ないのよ!」と頭ごなしに怒られました。
その助産院の室内の壁には、「私も完母(完全母乳)でがんばりました!」「○○先生の言った通り、少なかった体重も離乳食を始めたら追いつきました!」といった「体験者の声」がたくさん貼られていて、
息子が夜中起きないので、夜の授乳はほとんどないと相談すると、「ミルクをやるからそんなことになるのよ。夜中に起こしてでもおっぱい飲ませなさい!」とのこと。
(でも、これビックリされるんですが、ほんとに夜寝たら朝まで爆睡の赤ちゃんで、何度か夜中の3時にアラーム鳴らして起きて抱き上げ揺すっても起きなかったのです)
搾乳も試みましたが、痣ができるほど絞っても、ちょろっとしか出てこない。なんだか情けなくて、涙が出ました。
私の場合、地域の保健センターで相談に乗ってくれた保健師さんや小児科の先生が、とても良い先生だったことが幸いしました。保健師さんからは「母乳マッサージだけ受けに行くつもりで、何か言われたら聞き流してきなさい」、小児科の先生は「体重は後から追いつけても、その時その時の脳の発達は取り戻せないの。母乳にこだわるよりも赤ちゃんの健康な発達を優先しましょう」というアドバイス。安心し、冷静になれました。
後になって知ることになったのですが、”この世界”には「母乳原理主義」とでもいうべき一派がいて、そういう人たちはあまりにも熱心に母乳第一と説くがあまり、一滴でもミルクを飲ませようものなら母親失格であるかのような空気を身にまとっているようです。
子どもの健康や発達にも、お母さんの体や母性ホルモンのためにも、良好な母子関係のためにも、母乳が良いということは、今さら私が語るまでもありません。ただ、”完母(完全母乳)”という言葉が与える響きからしてそうなんですけど、母乳だけで育ててこそ完璧みたいな風潮や、お母さんを叱咤するような専門家たちは、産後のお母さんたちの弱った体、不安定な心を痛めつけます。
実は私は、ミルクだけで育てられたそうです。この通り、健康な大人になりました。日本の粉ミルクはすごいです。何らかの事情でミルクで育児をするお母さんも、安心してください。
母乳をやることで、母子の愛着が強くなるともいわれます。
でも、母乳で育てたのに、良好な母子関係が築けないケースがあるのはなぜ?
愛着の形成は、乳児期に最も大切な課題です。母乳育児はその一つの要素ではあるけれど、そのすべてではないということなのでしょう。スマホやテレビを見ながら赤ちゃんに語り掛けることもない授乳では意味がないですし、ミルクでも、生物学的な母子関係に無くても、信頼関係を育む要素としての”何か”が存在するはずです。また、赤ちゃんの側の要因として、愛着が形成されにくい特性を持つ場合があります。
そこで、「遊び込み」に注目している専門家がいます。
つまり、赤ちゃんや子どもと一緒に遊ぶという過程の中に、その”何か”を見出している人たちです。
そして私も今、すごく関心を寄せいてます。
続きは追々。。。

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