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こんな個別指導計画なら、ないほうがまし・・・・なワケをダイエットで考えてみた。
前回、前々回と、個別の指導計画の話をしていますが、今日は「計画」について、ダイエットにたとえて考えてみます。
例の研修でも、「学生時代の私が今より10㎏以上太っていて、陸上競技をやっていたけれどケガばかりしていて、まともに練習できなかった。膝を痛めるのは体重が負担になっているからだということは、医者や先輩などに指摘されたけど、具体的に体重を落とすための指導を受けたことはなかった」という経験談を話した上で、
もし指導者が、私のためにこんな計画を提示してきたら、どうでしょう? と問いかけてみました。
この計画で、成功すると思いますか? そもそも、この計画でダイエットに取り組めるでしょうか?
先生方が小さく首を振ります。ですよね?
この計画には、いろいろな問題点があります。
- 「実態」が漠然としていて、主観的すぎる。
「太っている」と言われても、それはどの程度なのでしょう? 具体的かつ客観的な情報が全く書かれていません。本当にダイエットが必要なの? 何のためにどれだけ痩せればいいの?という判断材料がないですよね。
計画を見せられて、「太っている」と書かれていたら、傷つくなぁ。そして、反発するかも。「あんたに言われたくない、ほっといて」と。
それに、「太っている」という表面的な問題にとどまっていて、「なぜ?」の情報も全くありません。生活習慣は? 食事内容は? 運動は? など、課題の背景にある情報を集めることで、目標や手立ての手がかりが見えてくるのです。
- 「目標」が具体的でない。
「やせる」というような、漠然とした目標は、計画的とは言えません。どこをめざせばいいのか、どの時点で「達成できた」とみなすことができるのか、本人も指導者もわからないからです。
バーンズさんによく言われるのですが「歩いて行く? 電車で行く? 飛行機で行く? 目的地がわからないと、手段を決められないでしょ」というわけです。
誰が見てもわかる目標を明確にして、はじめてプラン作りが始まるんですね。
- 「手立て」が適当ではない。
もしこれを実際に実施したら、私、「まだ太ってるぞ」「やせなさい」・・・・って“声かけ”され続けるんでしょうねぇ、毎日、毎日・・・・。それでもやせないと、“厳しく指導”されちゃうんです。「ちゃんと痩せなきゃだめじゃないか!」「こんどは絶対に痩せてこきなさい」「次、痩せてなかったら、もう知らないからな!」とか?(参加している先生方に、苦笑いが広がりました) “声かけ”という名のもとに、レッテルを貼られ続ける日々。「どうせ私は、デブですよ」開き直りそう。。。
そうじゃなくて、必要なのは「何を、どうやって」という具体的な方法ですね。
確かに、“声かけ”は、一時的に効果があるように見える場合があるかもしれません。でも、それは「先生に言われた時だけ」は気をつけるようになっても、そうでない時はできない、としたら、それはできるようになったとは言えませんよね。逆に、“声かけ”や“厳しく注意する”というのも、確かに必要な時もあるかもしれませんが、それを繰り返す指導は、指導者がいない時間や場所で、反動が出るリスクが高いです。ダイエットなら、その時だけうんと頑張って我慢しても、きっとあとでリバウンドしてしまう。目標達成どころか、事態はより深刻化してしまうかもしれません。
以上のような問題を解消してよりよい計画にするためには、情報収集を十分にして、それをもとに実態を分析し、明確で具体的な目標を設定し、適切な手立てをとることが大切なのです。
というわけで、たとえば
★実態 「落ち着きがない」
目標 「授業に集中できるようになる」
手立て 「集中していないときは声かけをする」
★実態 「友達とのトラブルが多い」
目標 「友達にちょっかいを出さないようにする」
手立て 「そのつど注意して人が嫌がることをしないよう指導する」
・・・・「こんな計画なら、ないほうがまし」と言った意味が、少~しおわかりいただけたでしょうか。
では、どんな計画なら、役立てられるか? 改善バージョンは次回に。
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朝日新聞に連載されていたころからハマっていた『悪人』が映画化されるとあって、公開が待ちきれません。あらためてハードカバーで買って読んでいるところですが、毎晩止まらなくなってしまい、朝起きると目のクマが半端じゃありません・・・・。酷暑続きですが、一足早く読書の秋してる私です。
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