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こんな個別指導計画なら、ないほうがまし・・・・という事態になぜ陥るのだろう?
初めて中国を旅行したのは、かれこれ10年以上前のことです。
面白かったのは、市場や土産物屋で出会う、偽物のキャラクター商品。偽スヌーピーも偽ドラえもんも笑えたけれど、いちばんすごかったのが、偽ピカチュウ。
「ピカチュウ」「ポケモン」と言い張る土産物屋のおばさんが示すカードには、黄色いカエルにしか見えないものが描かれていて、友人たちとお腹を抱えて笑い転げました。
「私が教えてる小学生たちの方が、よっぽどうまく描ける」と、中国に詳しい知人に話したら
「しょうがないよ。ポケモンなんて見たこともない人が作ってるわけだからね」と言われました。
なるほど。
絵の技術の問題ではなく、“本物”をちゃんと知っているかどうかなんだ。
ピカチュウの何たるかを知らない人が、見本に似せて描いたものよりも
ポケモン大好きな子どもが描いたへたくそな絵の方が、ちゃんとピカチュウになるんだ。
さて、個別指導計画に話を戻しましょう。
前記事の続きです。なぜこんな、「個別指導計画とは言えない計画」になっちゃったのだろう?と、あれこれ考えていて頭に浮かんだのが、偽ピカチュウのことでした。
じつは
特別支援教育が始まって最初の1~2年は、私は巡回相談の担当校で
「個別指導計画なんて書かなくていいですよ」と言ってまわっていました。
まずは、先生の意識改革が先決だろうと確信していたからです。特別支援や発達障害について、一定の理解が先生方に浸透してからじゃないと、計画を書くなんて無理でしょー・・・と。
(校内の体制が整い、特別支援への取り組みが前進し始めた学校では、「そろそろ、個別指導計画の研修やりません?」と声をかけてきたんですが、結局やれずじまいで担当校が変わってしまったのが、今となっては大きな心残り)
実際、理解が不十分なまま「個別指導計画作り」から先に入って、“計画もどき”になってしまった学校も、いくつか見てきました。
偽ピカチュウと同様、特別支援教育とは何なのか、個別指導計画が何を目的に、どのように作られるものなのか、見たこともやったこともない先生たちが、いきなり「書け」と言われたら、何が起こるでしょう?
たぶん、自分の経験・記憶から、似たものを探すと思うんです。無意識に。
どこかの中国人が、ピカチュウの見本を見て「黄色い生き物が跳ねている・・・カエルみたいなものかな?」と解釈したように。
「指導計画? なんじゃそりゃ?」と、初めて聞いた先生方が、教委が用意した書式や、ネットや本から探し出したサンプルを見て思い浮かべた身近な似たようなものは・・・・きっと通信簿ですね。
だから、子どもの「あれができてません」「これが課題です」的“評価”を記入し、「もっとがんばりましょう」と伝える(声かけ)することが「支援」だと誤解したまま書いた結果、前記事のような内容になってしまうのではないでしょうか。
まず必要なのは「書き方」ではなく、「支援とはどういうものなのか」の理解を深め、実践を重ねていくことなのだと思います。
それにしても、前記事の学校、通級があるんだけどな。コーディネーターは通級の先生だし。
個別指導計画についての研修も、以前にやったことがあるそうです。
となると、うまく機能していない背景には、学校としての取り組みの状況、連携体制がとれているか、研修の内容など、他にもいろいろなところに要因があるのかもしれません。
あと、気になるのは、どんな見本をもとにしたか。
いわゆる“専門家”や、ちょっと勉強した人による、専門用語をちりばめた見本を「かくあるべし」と見せられたとしたら、
学校の先生方には「難しそう」「めんどくさそう」と思わせてしまうのかもしれません。
かつても書きましたが、以前LD学会などで、ちょっとこの風潮はどうかと思ったのが
WISCなどの検査とって、数字を出して、それをベースに支援をどうこう・・・、という研究がやたらと多かったこと。
臨床心理士や言語療法士、教員でも通級などで教えている先生や専門的な勉強をされた方はともかくとして、
ふつーの教員には、そんなことできないはずです。
通常級の担任の先生は、検査なんか取れなくたって、WISCの数字の意味なんか分からなくたって、もっと大事な情報を山ほど持っているのですから、
それを生かしたに支援計画を書けばいいと、私は考えます。
ちょっと話が横道にそれてしまいましたが
次回は、具体的な話に入っていきますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やっと「踊る大捜査線3」を見てきました。終了後、後ろにいたカップルの男の子の方が「1」を見ていないと打ち明けていました。かわいそうに、それじゃ意味分からないとこ多くて、面白さ半減だったことでしょう。考えてみれば、「1」が公開された頃は、きっとこの子たち、まだ子どもだったのよね・・・・。
キョンキョンがアップになるたびに、高画質時代の女優さんは大変ね・・・・と思った私でした。
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