わかるためには、下地がいります。~UDLを読んでみた(5)|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

お問い合わせ

電話番号

電話番号

ブログブログ
  • HOME
  • ブログ
  • わかるためには、下地がいります。~UDLを読んでみた(5)

新しい記事

わかるためには、下地がいります。~UDLを読んでみた(5)

アメリカ人のベンジャミン(英会話教室の先生)が、落語というものを一度聴きに言ってみたいといいます。

サービス精神を発揮して、東京の落語と上方落語の違いとか、扇子を筆や煙草に、手ぬぐいを財布や手紙に見立てたりするんだとか教えてあげたら、予想以上に食いついてくるので、「もっとも有名な落語の話のひとつ」として、「目黒の秋刀魚」のあらすじを話したところ、

「その話のどこが面白いのか分からない」

と言われてしまいました。

やっぱりか・・・・。

「私だって、アメリカンジョークは理解できない」

と返したら、すぐ納得してくれましたが。

さて、この話の面白さを理解してもらうために、どうすればよいと思いますか?

「目黒の秋刀魚」

この話を理解するには、まず江戸時代をある程度イメージできなければいけないでしょう。

また、秋刀魚という魚を理解していないと、つまり、秋刀魚が安い庶民の食べ物であることや、シンプルに炭火で塩焼きするのがいちばん美味しいことを知らなければ、話になりません。

さらには、「目黒」「日本橋」という地名が意味するものがわかっているかどうかも、「秋刀魚は目黒に限る」というオチに笑えるかどうかの分かれ目となる要素ですね。

+++++++++++++++

学びのユニバーサルデザインUDLの3原則(©CAST)をちょっと読んでみる連載、

今日は原則1 「多様な提示方法を用いる」 のなかの

ガイドライン3 

「理解のためのオプションを用意する⇒いろいろな方法で理解できるようにする」(金子の意訳 原文はUDL(©CAST) のサイトでお確かめください。)

に進みたいと思います。

それで、「目黒の秋刀魚」を外国人に理解してもらうには?を引き合いに出してみました。

・背景となる関連知識を与えたり、思い出させたりする。

 歴史的背景としての江戸時代の身分制度や、地理的背景としての目黒(田舎)、日本橋(魚河岸)、秋刀魚がいったいどういう魚で、どんな味で、人々にとってどういう存在なのかを、教えたり、

・重要な箇所や、概要、関係などを目立たせて強調する。

 ストーリーのキーワードや、あらすじ、伏線とオチの関係を示したり、

・学んだことを覚えたり、応用したりできるようにするための助けとなるものを与える。

 活字になったものや、英文に翻訳したものをあげたり、関連する話を紹介したり。

 現代版に置き換えたり、舞台を変えて話を作り直してみる、アニメや映像、お芝居など別の媒体を提供するなんていうのもよいのではないでしょうか。

ん~、私の発想もなかなか貧困だなぁと、ちょっとブルーになってしまいそうな例示ですが、

先生方の授業の中ではどうでしょう?

うまく理解できない子どもたちに、適切な関連知識やヒントとなるようなものを提供したり、注目すべきところを強調して示してあげたり、理解や記憶、応用の手助けになるような活動を用意したり、・・・・

学びのユニバーサルデザインとは、すなわち「みんなにわかる授業」。

わからない子がいることに困るのではなく、わかってもらうための方法を、まず考えてくださる先生が、一人でも増えて欲しいと願っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

発売前から予約してくださっている方もいるというのに、発行が遅れている本の原稿が、今また手元にあります。6巻いちどにとなると、校正もなかなかしんどい作業です。

あと一息、がんばれるように、あなたの応援クリックを・・・・。

↓↓↓

★この記事を面白いと思った方、当ブログを応援してくださる方は、

にほんブログ村 教育ブログへ本日も1クリックをよろしくお願いします。

【にほんブログ村 教育ブログ】へリンクし、人気ランキングの1票となります。

*当ブログ上の情報およびコンテンツの著作権は全て筆者に帰属します。
*トラックバックは歓迎♪

アーカイブ

アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ