授業中のらくがき|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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授業中のらくがき

1学期、似たような話が3件あったことを、今日なんとなく思い出したので書いてみます。

低学年のころ、じっと席に座っていられなくて、歩き回ったり教室を出て行ったりして先生の手を焼かせた子が、高学年になると、とりあえず席についていられるようになった、というケースをよく見ます。

そういう子たちの担任の先生から、「授業中、他のことをしているのをなんとかしたい」という声がありました。

ある子は、机の中に隠し入れた本を読んでいました。(ケース1)

別のある子は、自分の興味のある授業だけ参加し、そうでなければ鉛筆や消しゴムを机に並べて手遊びをしていました。(ケース2)

そして、もう一人は、私が直接関わっている子ですが、授業中、自由帳に絵を描いているというのです。(ケース3)

注意集中力の弱い子も、成長とともに落ち着いてくる(というか、自分で自分に対処できるようになってくる)ことが多いので、低学年のうちはとにかく二次障害を引き起こさないことを最重要使命として、先生方には配慮と工夫をお願いしたいところ。

ケース2のお子さんについては、まだ情報不足ということもあり、ちょっとここでは置いておくとして、

ケース1の子とケース3の子に共通して言えるのは

第一に、「別のことをしているけれど、耳はちゃんと授業を聞いている」ということ。

その証拠に、先生や友達のことばに反応して発言するし、けっこう内容もピントはずれじゃなかったりもします。

第二に、以前は授業中の立席や教室から出て行く行動が目立ったが、今は席についているようになった、ということ。

一方の担任の先生は、「他の子どもたちには許されないことを、彼だけに認める」ことへの疑問を感じ、クラスの規律、他の子たちへの示しという観点から、何とかしたいと思っていらっしゃる様子。

もう一方の担任の先生は、その子が「授業を聞いているのがつらくて、絵を描くことに逃げ込んでいる」ように見えるのか、「絵を描いているヒマがもったいない」と、彼に計算や漢字のプリントを与えようと考えましたが、その子は嫌がってやらないそうです。

それぞれのお考えは、よくわかります。

私が興味深く思うのは、「なぜ、あれほど着席しつづけられなかった子が、ちゃんと座っていられるようになったのだろう?」ということ。

何かに意識を向け、それ以外のことを意識から排除し、その状態をキープし続ける、そのためのエネルギーをコントロールする、・・・・これが「注意」という脳の働きです。

これって、なかなか大変な能力ですよね。

そこに弱さを持つ彼らを45分間たいくつな授業につなぎとめている要因のひとつが、本であり、自由帳でなのではないか、

そんな気がするのです。

つまり、もしかすると、彼らは無意識のうちに「授業を聞く(教室に居続ける)ために、よそ事をしている」のではないか・・・・と。ペン回しや消しゴムのカス集めと同じレベルで。

なぜなら、私自身が学生時代そうだったから。

高校、大学時代、たいくつな授業や興味のない講義は、すぐに寝てしまう生徒でした。(いまでもそう)

でも、寝るわけにはいかないときもあります。だから、私のノートは落書きだらけだったし、よく授業中に手紙や詩を書いていました。

ただし、彼らよりももう少しだけ「控えめに」(“見つからないようにやっているつもりですよ”という態度で)やっていたというだけで。

いまだって、何時間もパソコンに向かって原稿に集中しなければいけないときは、コーヒー(+スイーツ)と、ケイタイと(作業中、しょっちゅういじっている)、そしてBGMにサザンをセッティング。

たとえば、

野球選手がガムを噛みながら打席に立つのは「態度が悪い」からではなくて、「ガムを噛むことで集中力を高める」という研究に裏づけされています。

ならば、「らくがき」が集中力を高めるという研究はないかしらん・・・・と、検索をかけてみたら、

おっと、ビンゴ♪↓ それも最近の研究

http://rocketnews24.com/?p=5446

ぜひ、「授業中のらくがきが、集中力を高める」という研究も、やってくれないかな・・・・。

で、仮に、私の仮説があたっているとしたら(無理、あるかな ^ ^;)

授業中のよそ事はむしろ、彼らの学習にはプラスになるわけですが

そうなると、問題は「他の子への影響や兼ね合い」。

とすれば、「周りに影響のない作業への置き換え」を図ればよいのではないでしょうか?

堂々と自由帳を出してらくがきをしているのは、恐らく先生に反抗するためではなく、単純に「絵は自由帳に書くもの」とインプットされているから。算数の時間なら、算数のノートの隅っこに描けばいいのだと、こっそり教えるとか。

本は・・・・どうしましょうかね。

学級の様子や年齢など、様々な要因がからむので、一概に「こうすればうまくいく」ということは言えませんが、いずれにしても、「やめさせるには」と考える前に、「どうして、そういう行動をするんだろう?」という視点が必要かなと思います。

そして何より、よそ事をすることを忘れるほど、隙がなく、面白くてよくわかる授業に勝る手立てはないと思いますが。

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片付けたかったことのうち、何分の1も終わらないまま、お盆休みが過ぎそうです。

今晩は、原稿チェックを仕上げなきゃ。

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