「相手のところに降りていく」~巡回相談雑感2|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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「相手のところに降りていく」~巡回相談雑感2

特別支援教育が始まって、期待を寄せていた親御さんたちもたくさんいらっしゃることでしょう。その分、

「学校はぜんぜん変わっていない」「理解してもらえない、配慮してもらっていない」「個別指導計画なんて作ってくれていない」

そんな声もよく耳にします。

気持ちはとてもわかります。

でも、子どもたちに成長段階があるように、大人も一気にガラッと変わるのではなく、少しずつステップを踏んで理解し、できるようになっていくものではないかと思っています。

2年前、

特別支援教育始まりました! はい、じゃぁ今年から通常級でも個別指導計画作ってください!

と求めるのは、初めてプールに入る子どもに「では、バタフライで25メートル泳いでみなさい」といきなり言うようなもの。

まずは、顔をつけたりダルマ浮きしたりして水に慣れ、次に壁につかまってバタ足の練習して、それからビート板使って・・・と、徐々に泳げるよう指導していかなければ。そうしたステップを踏まずにいきなり「泳げ!」と強制すれば、水への恐怖心や拒否反応を引き起こしかねません。

というわけで、私はこの2年間の巡回相談では、あえて「個別指導計画を作りましょう」とは言わずにやってきました。まずは「この子たちが困った行動をするのは、わざとじゃない。できないのは、怠けているからじゃない」「特別支援教育は専門家の仕事ではなく、すべての先生にかかわること」「ちょっとした工夫と配慮で問題を軽減できることがたくさんある」という認識を持ってもらうことが第一段階と考えて、研修や相談に当たることを心がけてきました。

もちろん、学校によって、先生によって、特別支援教育に対する温度差はあり、差が開いてきた感もあります。「どうしてわかってもらえないかなぁ」ともどかしさを覚えることも。

そんなとき、佐賀の「それいゆ」の服巻智子先生のことばを思い出します。以前に一度だけ直接お話をする機会があったのですが、「コンサルをするとき、意識が低かったり、理解がなかったりする学校では、どうされていますか?」とお聞きしたら

「そういう時は、相手のところまで降りていく」

とおっしゃっていました。

あぁ、そうか・・・・。相手のことを「まだまだ、できていない」「わかっていない」と思いながら向き合えば、当然“上から目線”になってしまい、良いコンサルなんかできるわけないんですよね。考えてみれば、自分だって、知らなかった、わからなかった、できなかった時期を経て、今に至っているのです。相手が今、どんな段階にいるのかを見極め、同じ目の高さで話し合わなければ・・・・。(これは、何に関しても同じことが言えるのですが)

来年度の巡回相談は、これまで以上に、「この学校の特別支援教育は、今年どんなことを目指すのか」を互いに明確にしたうえで取り組みたいなぁと考えています。

※そういえば、服巻先生といえば、拙著を出したときに先生からじきじきに本を仕入れてくださったと出版社から聞いています。遅ればせながら、ありがとうございます。(服巻先生の本屋さん→ こちら  の書籍紹介は→ こちら ・・・・名前の字が違うけどご愛嬌(笑))

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