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中学校の特別支援教育は?
教え子のAくんが、期末テストの結果を持ってきました。
点数だけ見ると、かなり厳しいものがありました。
一ケタとか、10点台とか・・・・。
でも、ひとつひとつ確認していくと、このテストでは・・・・彼がどのくらい「わかっているか」を評価できないな、と私には強く感じました。
たとえば、彼の得意な理科。ほとんど解答できているのに、全部減点されています。理由は、問題文にある「漢字で書きなさい」という指示。
実は彼は書字に明らかな困難を抱えていて、ひらがな・カタカナ・数字は一応書くものの、まさに「ミミズの這ったような」字です。漢字は、ほとんど書けません現在、私は小学校中学年程度の漢字をいっしょうけんめい練習しているところです。でも、読むことは、だいたいできます。ですから、問われていることはわかっているし、ひらがなで書いている答えはほとんど正しいのですが、「漢字で」という指示によって、ひらがな回答は正解として認められない・・・・。
そんな彼なので、アルファベットを覚えるのもすごく苦労しました。なにしろ、見本の文字のすぐとなりに同じ字を書こうとしても、aがuの寝っころがったみたいになっちゃったり、bがhみたいになっちゃったり、小文字が大文字よりも大きくなっちゃったり、・・・・でも、形を覚えるだけでも大変だったんです。
で、英語のテスト・・・・単語、彼なりに一生懸命覚えたのがうかがえるのですが、四線の基線から浮き上がっていたり、はみ出ていたりして、減点。Dは三角形みたいになってて、Dとみなしてもらえなかったようですが、彼にとっては曲線書くのも難儀なんです。
社会にいたっては、手をつけていなかった問題を、一つずつ私が口頭で読み上げていったら、何と彼、全てすらすら即答するではないですか。。。。どうやら記号で選ぶものだけ手をつけて、あとは力尽きた様子。(とにかく読み書きは彼のエネルギーを人の何倍も消耗させるのでしょう)
もちろん、彼はアンダンテ(うちの教室)に通って努力を続けているし、私も彼の学習のサポートに力を尽くしています。それでも、彼にとっての「書くこと」の困難は、努力で克服できる範囲を超えているのです。
CRN連載中のNYレポートで、支援の方法に2つのアプローチがあることに触れました。「介入 Interventions」と「配慮 Accommodations」です。
簡単にたとえるなら、視力が弱い人に、視力回復トレーニングのプログラムを組むのが「介入」で、視力にあった眼鏡を使うことや、席を前の方にすること、大きな文字で書いてあげることなどなどが「配慮」です。
アメリカでは、学習障害やADHDと認定されれば、IEPにこうした必要な支援としての介入や配慮が明記され、それは法的に認められた権利であり、同時に学校側の義務になります。
たとえば、読字障害や書字障害がある場合、
・問題文の代読
・口頭での回答
・回答の代筆
・コンピュータの使用
・選択肢式の試験に変更
・時間延長
などなど、認められる「配慮」にはさまざまな種類があるそうです。さらに、こうした「配慮」を認められたテストや課題は、それがその子の成績としてきちんと評価されるのです。だって、眼鏡と同じですから。「読めない」あるいは「書けない」は、イコール「わからない」ではないのです。
Aくんの場合、アンダンテで私たちがやっていることや、通級学級での指導が「介入」にあたるかと思いますが、どう考えても通常学級における「配慮」が欠かせません。テストはもちろんのこと、毎日の授業の中でも必要な配慮があるはずです。
私は、中学校での特別支援教育の状況を詳しく知りませんが、Aくんと同じように困っている子どもたちがたくさんいるのではないかと、危惧しています。。。
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