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「しつけの問題」って言われても・・・(2)

前回の続きです。今日はちょっと余談から。

子どもは一人ひとり違う、といえば

うちの年子の甥姪・・・・姪っ子には、一度注意したらわかるのに、なぜ甥っ子は、一度注意した直後に3度ぐらいやるのかしらん? ママはどちらにも同じように話し、同じように叱り、おんなじように育てているのに?

先日も、「ガラスの里」なるところに行ったのですが、入り口でママが二人に言い聞かせます。「いい? ここにあるものは、見るだけだよ。絶対さわらないこと!」

「はーい」と二人、よいお返事♪  が、なぜその次の瞬間から、ガラス製品に手を出しまくるのか、かわいい甥っ子よ・・・・。しまいには、「世界一大きいクリスタルボール 6億円」 なる巨大水晶玉に突進する甥っ子・・・・(汗) あんたには、立ち入り禁止のロープの存在って何の意味もなさないのね?

ちょっとおハイソなレストランでも、お子さまメニューに5分で飽き、もうじっとしていられない。「トイレ!」と立ち上がるので、しぶしぶ連れて行こうとすると「う~んこ、う~んこ♪」と店中に響き渡る声で歌いながら、腰をくねらせ駆けていく愛しい甥っ子・・・・こいつ~!(怒) クレヨンしんちゃんを地でいくような彼に、子どものプロのはずの私が知らず知らずのうち“みさえ”化してしまいます。何度彼の頭をげんこつでグリグリしたことか・・・・。

そんなこんなのエピソードに、「どーいうしつけしてるの?」と批判めいた口調で言った人がいましたが、愛する甥っ子は決して、親のしつけの失敗作ではないと私は思っています。

しいて言えば、そんな彼を連れている状況で2時間かかるコース料理なんぞ食べようという無謀な我々が大失敗だったわけで。(あのとき静かにお食事をされていた他のお客さま方、本当にごめんなさい)

叱られないで「いい子」にすることよりも、もっと魅力的な刺激が、今の甥っ子の眼には山ほど映るらしい。いま彼が何より楽しいのは、ふざけること、いたずらすること。がまんすること、がんばることは、性に合わないらしい。

でも彼は、これから長い年月の間に、少しずつ少しずついろんなことを学んでいくでしょう。今よりもう少し我慢できるようになっていくし、今よりもう少し時と場をわきまえられるようになるし、今よりもう少し根気良く物事に取り組めるようになっていく。だから、今レストランでお行儀よく食べられなくても、大人になるまでにはちゃんとわかるようになる・・・・でしょう、きっと。

それまでたぶん、パパもママも苦労して教えていかなきゃいけないでしょう。ジージやバーバも手を焼かされるでしょう。伯母はるえも頭グリグリしちゃうでしょう。

悪ガキぶり、いたずら三昧の今も、また楽し。そんな時間を、「しつけがなってない」なんて水を差さないで、一緒に共有してもらえたら嬉しい。

で、本題に戻しましょう。

つい最近お話しした先生が、ある子の「しつけの問題」に取り組んでいました。その子は、発達障害の疑いも拭いきれないものの、複雑な家庭の事情で、幼児期に親御さんに「しつけられる」機会が極端に少なかったようだとのことでした。前の担任は「やる気がない」「態度が悪い」という言葉で済ませてしまっていましたが、この先生は違いました。やるべき最低限のことには取り組むこと、人に迷惑をかけたり失礼なことをしたら謝ること・・・・その都度その都度、ひとつひとつ、その子に教えているところだそうで・・・・その子は確実に去年とは変わってきています。

「学校は、しつけをするところじゃない。そんなことは家でやってくれ」という声も、しばしば聞きます。日々忙殺されている先生方に、それだけ気持ちの余裕がないということかもしれません。でも、子どもは家庭だけで育つわけじゃありません。親も、教師も、地域の人たちも、関わる人みんなで見守り、育てていくほうが、きっとうまくいきます。

まして、発達障害の子どもたちは、その特性ゆえに、「言わなくてもわかるだろう」と思えることがわからなかったり、「一度言えばできるだろう」と思えることができなかったりします。「しつけの問題」と親御さんに押し付けて孤立させず、ぜひその苦労を軽減するために、共に手をつないでくださる先生が、もっと増えてほしいと願うばかりです。

NGワードシリーズ、もうひとつ続けるつもりでいます。

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