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「配慮」という言葉の意味のギャップ~CRN連載第2回がアップされました。

CRN(チャイルドリサーチネット)での連載第2回目がアップされていますので、よかったらご覧ください。↓↓↓

連載「教師のスキルアップで『落ちこぼれ』を救う~NY市の事例より」

今回の原稿、Accomodationをどう訳すかでかなり悩みました。

辞書的には、「宿泊」が一般的な意味。ここではもちろん、「便宜」という訳語がいちばん近いのだと思うけど、いまいちピンと来なくて・・・・もう少しイメージがわきやすい言葉はないかと思い、いちどは「代替策」としてみたのだけど、かえって意味を狭めてしまった感あり。で、あれこれ悩んだ末、けっきょく「配慮」に落ち着いてしまいました。

しかし、「配慮」ということば、便利ながらあいまいな言葉だなぁと思います。

先生方の会議で「要配慮児」という言葉が頻発していましたが、支援の必要な子に対して、どんな「配慮」を思い浮かべますか?

「○○くん、学習が遅れていて、授業中もやる気がない感じです。こまめに声がけをするようにしています」

「○○くん、教室を出てしまうことがあります。授業中、校内で見かけたら、戻るよう促してください」

などなどは、それがいけないわけじゃないのですけど、「配慮」っていうより、「気をつけて見といてね」「気を遣ってあげてね」止まりになってしまってますよね。

「座席の位置を前の方の席にする」とか、「どうしても座っていられないときの離席を認める」とかだと、私の思う「配慮」と先生方のそれとが共有できる範囲になってくるのですが

「イライラしたときにクールダウンのために使える部屋をきめてほしい」とか「補助の先生をつけてもらえないか」といった親御さんからのお願いを

「要求」

っていう先生や管理職の先生、ついでに役所の人も、まだまだ少なくないんですよ。。。このまえ書いた「ついてこられない」という表現と同じで、悪意なく無意識にそういう言葉が口から出てきてしまうみたいです。

もちろん、物理的な問題や人手の確保など、「できることと、できないことがある」というのはわかります。ただ、「要求」という言葉に、なぜか「わがまま」というニュアンスを感じてしまうのは、私だけでしょうか? 

特別支援教育2年目。

このあたりの「意識の差」をどこまで、どうやってうめていくかが、今年の鍵かなぁと思っています。

ちなみに、米国の特別教育におけるAccomodationは、もっと具体的で、とても多様で、広い範囲にわたります。座席の配慮等はもちろんのこと、記事中に挙げたような、代替手段としての用具や機器の使用などもあります。テストの制限時間の延長、回答の代筆(口述筆記)なんていうのもあるそうですし、教科書をそばで読んであげる(だけの)ための介助がついている子もいました。

「配慮」と訳すのを躊躇したのは、Accomodationは「気遣い」ではなく、「ニーズへの対応」だから。それは法律で定められた、支援の必要な子どもの「権利」でもあるし、IEPに記されれば学校の「義務」になります。

言葉って難しいですね。こんなに意味合い違うのに、同じ言葉で表していいのか? ・・・・と迷った背景と、私の胸の内でした。

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