その子は、個別学習の時間に、ノートに絵を描き出すとスミからスミまで、もう止まらなくなって勉強どころではなくなってしまって、やめさせるのが一苦労。言葉によるコミュニケーションが十分ではなく「描きたいのに止められる」理由がわからなかったり、「始め」と「終わり」の理解や見通しにも困難があったりするからです。

で、学習のはじめに「絵をかく」時間を確保して、彼は時間の概念が弱かったので、ノート１ページの半分に「枠｣を区切って、「その枠の中いっぱいに描いたら絵はおしまい、今日のお勉強はじめ」と示したら、「絵が止まらない」問題はあっさり解決しました。

その子が「絵をかく」間は、私は何をするでもなく、それを眺めていたのですが、これがとってもユニークでユーモラスな絵なのです。私も毎回楽しみになってきて、ある日「これ、いいなぁ。絵葉書にしたら素敵じゃないですか？」と言ったら、お母様が「こんな絵が、家にいっぱいあるんです」とのこと。そこでPCで描いた絵の大量のファイルを送っていただいて、一時期は私の別のブログで紹介したりもしていました。今では、私の自宅PCのスクリーンセーバーにして、毎日親しんでいます。たとえば、こんなのとか・・・・

「フォードアメリカントラック」

「バナナのおやこ」

そんな彼の絵が、今、吉祥寺の「シアターカフェ」というお店に展示されています。週替りでいろんな作家さんの作品が飾られるそうなのですが、きっと１２歳（こんど１３歳かな？）の彼はその店の最年少出品者。

きょう、お昼に足を伸ばして、ランチついでに見に行ってきました。

「当店自慢のハヤシライス」、おいしかった～。さらにプラス１００円でついてくるデザートのシフォンケーキがこれまた申し分なくて、おすすめです♪

常連客らしい女性の２人組が後から入ってきて、開口一番に

「あ、絵が替わったね」

「ほんとだ。今度のは、明るい感じで、いいね～」

と話し合っていました。

そっか。この絵を観る人たちに、子どもが描いたんですよとか、彼がどんな障害があってとか、そんな説明は不要なんだ～！と、実感しました。

この５枚の絵は、れっきとしたアーティストの作品なんだよね、と。

オープンカフェのコンクリート打ちっぱなしの壁に、額に入ったポップな絵がよく映えていました。

お近くの方、ぜひ足を運んでみてください。お店も素敵です。

彼の作品の展示は２５日（月）まで。　営業は１１～１9時。

吉祥寺のヨドバシカメラの手前の道を西荻（新宿）方面へま～っすぐ。

吉祥寺シアター内　シアターカフェ（←クリックするとお店のサイトが開きます）

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