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子どもを「落ちこぼす」授業を実感した日

さて、放ったらかしにしていた学習支援シリーズ言語編に戻りたいと思います。

間があきすぎてどんな話の流れだったか忘れちゃったわ!と言う方、

そんな話は聞いて(読んで)ないという方、

言語編これまでのまとめ読みは→こちらからどうぞ。

ところで、この学習支援シリーズの記事も、ニューヨークで参加してきたワークショップも、いずれもDr.Mel Levineの考え方に沿ったものなので、およそ似た構成になっています。(ニューヨークからシリーズは、こちら→    )

で、ワークショップの4日目、言語機能についての話が一通り終わった時点で、講師の先生が参加者に問いかけました。「以上が、レビーン先生の提唱する言語機能についての学習でしたが、これまで(注意編、記憶編など)のやり方と比べて、どんなふうに感じましたか?」

その瞬間、私はその質問の意図が痛いほど分かると同時に、へなへなと机に突っ伏しそうになったのでした。「そうだったのか・・・・!」

最初の3日間は、レクチャーとあわせて、ビデオを通しての解説、図や表など視覚化された提示、ちょっとした作業やロールプレイング体験など様々な活動が織り込まれていました。それなのに、4日目の「言語編」に関しては、「ビデオはありません。理由は後で言います」。図表などの資料もなし。ただ20~30ページにわたるテキストを個々人で「読んで要点をまとめ」、そのあとグループでの「ディスカッション」のみ、というもの。

しかも、あろうことか、米国取材ではいつも一心同体の通訳さんが、この日に限って里帰り中。代理の通訳は外大出身とはいえ、在米期間わずか半年の若干23歳。

私、これ→ひとりひとりこころを育てる読んでいるので、おおよその内容については理解してます。しかし、英語力3歳児レベル。一方、通訳のピンチヒッターの彼女。英語は聞き取れるけど、概念や専門用語の意味に四苦八苦。そんな二人の力を足しても、頭の中にある言いたいことを英語で表現しきれないもどかしさ。

「どう感じましたか」の質問に対して、「やっぱりこれだけの高度な内容を、言葉の説明だけで理解するのは、なかなかきつかったわ」なんて意見が挙がっていましたが、私たちにしてみれば

そんなもんじゃないちゅうねん!

膨大な文字量のテキスト、前の晩、夜中まで予習したけど追いつきゃしない。

「まとめなさい」って言われたって、まとめる言葉を知らないから文章書けない。

ディスカッションなんて、意見を言おうにもメンバーの話についていけないから、口を開くタイミングがつかめないし、だいたい「ハルエはどう思う?」と言われたって、私、3語文しかしゃべれませんから~。

まさに落ちこぼれの劣等生。プライド、ズタズタですよ。

私、これでも日本じゃぁ優秀な教育者(自称)で、発達障害児の教育に十数年携わってて、しかも世界各国の学校取材して記事書いてるライターなんですけど。いちおー本出したり、教員研修の講師やったりもしてるんですけど。

・・・そう心の中でつぶやいてみても、あの場にいたほかの参加者には、シャイな日本人どころか、なんにも分からないお子ちゃま同然に映っていたと思う・・・・・。

いやむしろ、私は母語においては言語機能は強みであるからこそ、今まで感じたことがなかったのです。今回初めて、身にしみて分かったのでした。言語機能が得意ではない子どもにとって、言語のみで進行し、言語による表現のみで評価される授業は、その子の人格形成を左右しかねないほど負担である、ということが。

つまり、先生がしゃべる、教科書を読む、ノートにまとめる、発表や話し合い、テストやレポート・・・・それだけのバリエーションしかない授業は、言語機能に強い子どもだけに向けたものであって、ユニバーサルな授業じゃないんですね。

でも、私が挫折せずに最後まで参加できたのは、講師の先生や、周りの参加者の先生たちが、さまざまな「ちょっとしたこと」で私をフォローしてくれたからでした。

その「ちょっとしたこと」こそが、教室に必要なことだと気づきました。

この話、次回に続けます。

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※参考文献 "The Mind That’s Mine"  Dr.Mel Levine

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