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子どもは本音を簡単には言わない、言えない。

「子どもは、なかなか本音を話さないものだ」と、あるジャーナリストから、子どもの取材の難しさについて伺ったことがあります。

それは、十分なボキャブラリーや表現を持ち合わせないが故に事実や本心を言語化できない、という面もあるでしょうが、

それ以上に、子どもというのは本能的に、自分を守るため、本音を言わないものだという意味合いの話でした。

先日、そんな話をふと思い出した出来事がありました。

歯医者の待合室。
見たところ5歳ぐらいの男の子と、3歳ぐらいの女の子が、お母さんの治療が終わるのを待っていました。

しばらくすると、女の子の方が、
「おにいちゃん。ママのところ、いこう」

と言い出しました。

男の子がそれに応じ、兄妹はそーっと診療室のドアをあけて、中を覗き込みます。

「おにいちゃん、ママ、おしっこ・・・って、よぼう」

と、女の子が、男の子の袖をひっぱります。

それを小耳にはさんだ受付のお姉さんが、

「おしっこ行きたいの?」と、声をかけましたが、兄妹は何も答えず、もじもじ。。。

受付お姉さん、もういちど、

「おしっこ行きたい?」と聞きますが、女の子は口をつぐんで困ったように笑うばかり。

「大丈夫?」とお姉さんが言うと、女の子は小さくうなずきました。

それで、お姉さんはまた受付に戻っていってしまったのですが。。。

えっ、お母さん呼ばないの?!

いやいや、ぜったい大丈夫じゃないって。

女の子、しきりにお兄ちゃんの袖を引っ張っている。 ・・・悲しいかな、男って、年齢を問わす気が利かないのね。そのサインが意味するところを察することができない。

さらに、女の子が両膝と太ももに力をいれて、小さく身をよじりだす。・・・そのポーズ、私、知ってるぞ~。姪っ子がしょっちゅうやってたぞ~。

その先に起こるであろう“大惨事”は、水晶玉を覗き込むより明らかに予測でき、

思わず私、女の子に駆け寄り

「お姉ちゃんが、一緒に行ってあげようか」と

(※未だに、自分を「おばさん」と呼ばせたことがない、厚かましい40歳、妊婦)

半ば説得の勢いで話しかけると、女の子、こくんと頷き、ついてきました。

女の子のタイツとパンツを大急ぎではぎ取り、だっこして便座に座らせ、

・・・・間一髪セーフ!

子どもは、そうそう簡単には、本当のことを言わないし、言えない。

嘘つきってことではなく、それが子どもの本能だということを、
子どもと関わる人間は、常に心に留めておく必要があります。

いじめや虐待を把握するのが難しいのも、そういう要素が大きいと思います。

私の仕事も、大いに注意すべきところで、

「わかった」とか「楽しかった」とかいう子どものことばが、必ずしも本心とは限りません。

その場では、反射的にそう答えていても、本当はそうではないことも十分あり得ます。

逆に、「めんどくせー」「やりたくない」という言葉だって、
本当は、「わからなくて困ってる」「やりたいけどできない」という気持ちの裏返しであることも少なくありません。

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あ、でも、子どもに限ったことではないかもしれませんね。

先日、いよいよ陣痛が始まった!と、病院に連絡したら、

「声を聞いた感じだと、まだちょっと余裕がありそうですよね。
初産だから時間かかるし、ご自宅も近いですから、
晩ご飯食べて、お風呂入って、痛みがもっと強まってからもう一度してください」

と言われました。

指示通り、ご飯とお風呂を済ませて、入院グッズの再点検をして、テレビを見ていたら・・・・
あれ? 陣痛はどこへ行った? 
数時間後に、痛みは引いてしまっていました。

助産師さんも、「陣痛です」という“ことば”だけでなく、電話口の妊婦さんの声の調子や話し方で判断するんだそうです。

こういう非言語コミュニケーションの力って、本来人間に備わっている機能ですが、
昨今、どんどん低下していってるのかもしれません。

だからこそ、私たちのような仕事はなおさら、

表面的な「ことば」だけに頼ったりそれを鵜呑みにしたりせず、
表情や行動を観察し、そこから非言語のサインを察知することを、常に意識していないといけないなぁと、あらためて思ったのでした。

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