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「支援技術による読み書き支援」の講義、聴いてきました。
自分の身体のことはもとより、担当している生徒さんに迷惑を掛けるのも、
昨夜遅く出張から帰ってきて疲れている彼に、一切の家事を押し付けて出かけるのも
申し訳ないと思いつつ、どうしても行きたかった今日の研修会。
S.E.N.S資格認定協会主催の専門家研修の1日目。私の選んだコースは
「支援技術(AT)による読み書き支援」。東大先端科学技術研究センターの近藤武夫先生のお話です。
無理をおしてでも、行ってよかったと思いました。
自分の遠く見据えている方向が、間違いではないという確信を持てて、心強い話でした。
たくさんの支援テクノロジーの例の紹介や、日米比較からの検証も興味深かったのですが、
近藤先生の言葉で、我が意を得たりと、密かに何度もうなづいてしまったのは、
ひとつは、「特定の“訓練”で、たしかに多少は伸びる。けど、“標準”に追いつけるわけではない。だから、“訓練”にとらわれていると、どんどん差が開いてしまう」ということ。
長年、学習支援をやってきている私は、実感を持ってその意味がわかります。読み書きにしろなんにしろ、その人の生まれ持った苦手さ、特性に対して“トレーニング”で改善するという発想には私も違和感があります。もちろん、苦手なことを今より少しできるようになるための支援を否定するつもりはないですが、やはり、その苦手や特性があることによって学習に躓かないようにするための配慮や代替手段による学習の支援は不可欠だと考えています。
(だから、「苦手攻略大作戦」
はるえ先生とドクターMの苦手攻略大作戦―発達障害のある子にもない子にも役に立つ |
では、子どもたち自身に自分の特性に合った学び方を見つけたり、必要な支援を求めることの大切さを強調しています。)
近藤先生のことばから、もう一つ。
「日本では、『ユニバーサルデザイン』という言葉が、本来と違う意味で捉えられている。ユニバーサルデザインは“一つのものが、全ての人に使える”というものではない」
すごく、嬉しかったです。
日本では、『ユニバーサルデザイン』という言葉が独り歩きしていると、再三言ってきましたが、ここにも同じ指摘をしてくれる人がいた!と、思わず駆け寄って握手しに行きたくなっちゃいました。
CASTのウェブサイトで、UDLとは何か?という解説のなかで
「一人のためのものではなく、一つのものを全てにあてはめるもの(One-Size-Fits-All)でもない」とあります。
実は先週、群馬大学附属小学校の研究授業を含む研修会で、UDLについてお話をさせてもらったのですが、終了後に付属小の(確か)副校長先生がおっしゃっていました。
「今の日本でよく言われるユニバーサルデザインは、むしろ『究極のOne-Size-Fits-All』をめざそうとしてしまっているのではないか」
全ての人に最適の、唯一の方法は存在しない。それは幻想。なぜなら、人は一人ひとり違う、多様な存在だから。
だから、柔軟性を持たせたり、複数の方法を用意して自分にあったやり方を選べたり、自分に合わせて調節できたりするように配慮することで多様性に対処する考え方が、本来の意味のユニバーサルデザインなんですね。
(このあたりは、また追って、詳しく書くつもりです。)
有意義な講義を聞くことができました。
明日は研修会2日目。そろそろ寝ます。
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