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この実話は、きっとどの学校にも。~書籍紹介「うちの子はADHD」~

もうだいぶ前のことですが、ある教員研修で「保護者への対応のしかた」というテーマの講座を受け持ったことがあります。

どこの地域でもたいがい、似たような研修をやっているようですね。

「そんな話、私できません・・・」と、依頼を受けた時は申し上げたのですが、発達障害のお子さんへの親御さんに対してどのように対応するか悩んでいる先生がたくさんいるので・・・・云々の説得もあり、断れるような状況でもなかったこともあり、お引き受けしました。案の定、大した話もできなかったと反省いっぱいの苦い体験ではありますが、最近ときどき、その時に引っかかった感覚が、再び胸をよぎります。

参加していた先生方に、気がかりな子の親御さんにお話しするとき心がけていることを書いてもらったところ

「事実のみを、ありのまま話す」

という回答が挙がりました。

何人かの先生が、同じようなことを書いていらっしゃったので、おそらく関連する別の研修か何かで、そういう助言があったのかもしれません。多分その意味は、「教師の主観でものを言わない」「決めつけや批判的なことを言わない」ということだと推察しました。もちろん、確かに大切なポイントだと思います。

それでも私は、ちょっと「引っかかった」のです。

「事実のみ」ならば「客観的」というわけではありません。たとえば、新聞記事は「客観的」か? ちがいます。 「どの事実を取り上げるか」、それじたいが、その人の主観なのです。受け取った人は、伝えられた「事実」をもとにその人が何を伝えたかったかという「意思」を読み取るわけですから。

発達障害の子どもたち、・・・・とくに集団行動や学習で困っている子どもたちについて、学校の先生から親御さんに伝えられる「事実」の数々は、想像がつきます。

「Aくんが、おともだちをたたきました」「Aくんが、ものを投げました」「Aくんが、ほうきを振り回します」「Aくんが、授業中でも立ち歩きます」「Aくんは、ささいなことでも泣いて怒るんです」

「Bくんは、忘れ物が多いです」「Bくんが、物の片付けが上手にできないようです」「Bくんが、連絡帳を書きません」「Bくんは、文字の読み書きが定着しません」

・・・・きっと、Aくんも、Bくんも、ちゃんとできていることや、うまくいっている時間も、いろいろとあるはずなのですが、それは先生から見て「取り上げるべき事実」ではないことが多くて、どうしても、気がかりな子の親御さんに伝えなければならないと考える「事実」は、山のような「問題」になってしまうものです。悪意なく、いえ、むしろ、良心から。

ただ、それを伝えられた親御さんの側からすると、突きつけられた事実をどう受け取るか・・・・。「うちの子は、乱暴者だ」「うちの子は、ちゃんとできない」、それが親御さんから見たお子さんに対しての見方と一致するかしないかはさておき、少なくとも「学校ではそう見られている」ということは嫌というほど感じるでしょうから、けっこうきついものだと想像します。

それも繰り返し重なれば

先生から「ちょっと、お話が」と呼び止められたり、学校から電話がかかってきたりするたびに、「うちの子がまた何かやらかしたのでは」とビクッとしてしまうでしょうし、だんだんと、うんざりし、焦り、追い詰められていくでしょう。

親御さんが追い詰めらて、当の子どもにプラスになることはないですし、かえって子どもまで追い詰められて、逆に問題が増長してしまうことも少なくありません。

だから、「事実のみを伝える」という方針は、ある意味正解ですが

先生が「事実」をどう見ているかによっては、こじらせる可能性もあるのではないかと、それが「引っかかった」ところだったように思います。

ところで、最近読んだ漫画が、

こちら↓↓↓

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発売日:2009-06-26

ADHDのお子さんと、その親御さんの「悩み」が「悩み」でなくなっていくまでのプロセスが、お母さん目線で描かれていて、たぶん当事者のご家族には共感されるお話だと思います。

また、最後の田中康雄先生の解説も的確でわかりやすいので、必見。

私はあえて、これ先生方にお勧めしたいなぁ。

先生方が、ただ「事実を伝える」でおしまいにするのではなく、

正しい理解に基づいた助言や提案を示せること、

親御さんがどんな気持ちでこれまでその子を育てていらっしゃったかを想像できることが、

きっと親御さんとの望ましい連携、協力体制をつくっていくための土台になると思うからです。

先生にお勧めの本といえば、こちらもどうぞよろしくお願いしますね。先生が明日からできること。

はるえ先生とドクターMの苦手攻略大作戦―発達障害のある子にもない子にも役に立つ

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