ディスレクシアの脳を読み解く旅~「プルーストとイカ」|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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ディスレクシアの脳を読み解く旅~「プルーストとイカ」

今日は、本の進捗状況と、本の紹介。

まず原稿の話ですが、とにかく、自分で決めた「七夕」デッドライン。なんとかこの週末でめどをつけたいと思うのですが・・・・。これ以上先に延ばすと、自分自身の体力、気力、時間とともに限界を超えてしまいそうで。

本作りに直接関わってくださっている方々のみならず、、資料を訳したり普段の雑務を一手に引き受けてくれている同僚たちの協力、そして、皆さんの励ましやねぎらいのことば・・・・こんなに応援してもらっていると分かってはいるのですが、それでも

書くという作業は、とても孤独だと、実感しています。

高校時代は陸上で中・長距離を走っていたのですが、あの感覚と似ているな、と。

応援の声も聞こえてる、共に走る人たちもいる、だけど、孤独な自分との闘い。

どんなに苦しくても、誰かに代わってもらうことはできない、前に進むのを止めてしまえば、永遠にゴールにはたどり着かない。。。。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、この3日かけて、この本を読みました。

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか? プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2008-10-02

現時点での、ディスレクシア(読み障害)に関しての最新の知見が凝縮されていると言っていいと思います。

著者Maryanne Wolfさんは、アメリカのタフツ大学教授、読字・言語研究センター所長としてディスレクシア研究に活躍している方です。一昨年のLD学会で聴いた彼女の講演は、ひょうきんな語り口が印象的でしたが、内容もすごく興味深いものでした。

私の中で、子どもと「ことば」の発達は、学生時代に読んだ

子どもとことば (1982年) (岩波新書)

子どもとことば (1982年) (岩波新書)
価格:¥ 399(税込)
発売日:1982-01

が出発点で、そのあと

発達心理学―ことばの獲得と教育 (岩波テキストブックス) 発達心理学―ことばの獲得と教育 (岩波テキストブックス)
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:1999-03

で、もっと整理されて、そしていつしか21世紀、

この「プルーストとイカ」プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?につながりました。

今回は執筆の参考資料としてざっと読み飛ばさなければならなかったのですが、改めてじっくり読み返すつもりです。

子どもがことばを獲得し、読み書きを覚える道のり、その間に脳で何が起こっているかという科学的な事実、私はワクワクしながら読みましたが、専門書といわれれば専門書です。ご興味のある方にのみ、お薦めします。

ただ、著者がもし「世界中の教師と親全員に向けて話せる時間を五分もらえるとしたら」話したいという部分の、さらにごくごく一部を、ここに引用しておきます。

・読み方の勉強はレッド・ソックスの試合ぐらい素敵なものですが、いろいろな理由でうまくいかないこともあります。子どもが、これという理由(たとえば、視力障害や適切な読字指導を受けていないなど)もなく、読み方をうまく学べないようならぜひ、読字のスペシャリストと臨床医に相談してください。

・ディスレクシアに決まった形はありません。(中略)読字障害をもつ子どもに見られる欠陥は多種多様です。(後略)

(中略)

・どんな形のディスレクシアを抱えている子どもも、“頭が悪い”わけでも“強情”なわけでおありません。もちろん“やる気がない”わけでもない。三つとも、最もよく使われる謂れのない表現です。しかし、彼らは、自分自身も含めて、大勢の人々に何度となく、誤って、こう決めつけられています。(後略)

私の目の前にも、「読めない」「書けない」ことで、周りから責められ、自分をダメだと思い込んでしまっている子どもたちがいます。私も含めて、その子たちを救えていない現状に、これからさらに真剣に取り組んでいかなくてはと思いました。いつか著者にお会いして、もっといろいろお話を聞きたいという夢もできました。

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というわけで、明日が最後の「原稿に追われる日曜日」になることを祈って、クリックいただければ幸いです・・・・。

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