さよならの季節に|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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さよならの季節に

卒業シーズンです。

私の仕事には「卒業式」はありませんが、アンダンテは受け入れを高校生までとしているので、今年も高校3年生の生徒さんが、今月で卒業ということになります。

個別指導ですし、大手ではなく個人経営の小さな教室ですので、ほかの塾に比べると高い授業慮をいただいていることは否めません。遠くから通ってきてくれているお子さんもいます。小学校時代からの付き合いのお子さんが多く、長い間本当に良く続けてくれたと、子どもたちにも親御さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。

高校3年生に限らず、ご家族で話し合った結果、「アンダンテは卒業」と決めて新たなステップを踏み出すお子さんたちもいます。これはこれで、ちょっぴり寂しいですが、「もしも必要なときがまたあれば、いつでも待っています」というスタンスで旅立ちを見送りたいと思います。

時々、お電話やお手紙で卒業後の近況をいただきます。進学先や就職先で元気にがんばっている様子をきくと、私のほうも、まだまだがんばろう!とういう気持ちがわいてきます。

学校と違い、私塾ですので、必ずしも“卒業”という形ではなく、心残してのお別れになることもしばしばあります。

本人やご家族の健康状態やご家庭の事情などなどで、どうしても退会せざるを得ないときのさよならは、本当は続けたかった子どもや親御さんの思い、十分な力になれなかったこちらの思いが残りますが、それでも、手を離れた時点で、互いに新しい気持ちへと切り替えなければいけないと思っています。

昨年、退会されたある生徒さんは、さまざまな事情があってご両親と離れて暮らすことになりました。最後の授業のあと、なかなか出口に向かえない、何か言いたそうなのに言葉が見つからない、そんな彼に私は「もしもこれから先、どうしても必要なときがあったとき、先生はちゃんとここにいるから」と言って、自分の名刺を渡しました。先日彼の親戚の方から「あの子、今でも先生の名刺を大事に持っているんです」とききました。

実際には、どんな形であれ退会してしまったお子さんに、私たちがしてあげられることはほとんどありません。

だけど、ここで一緒に学んだことが、未来を歩んでいくための糧になっていてくれたら、ここで過ごした時間が、いつか壁にぶつかったときそれを乗り越えるための支えになってくれたら、これほどうれしいことはありません。

また同時に、彼らの長い人生のほんの一部分を共有させてもらったことは、私たちの励みであり、誇りであり、宝物です。

さよならの季節に、きみたちへ。そして親御さんへ。

これからも、遠くからずっと応援しています。アンダンテのことも見守っていてくださいね。

たくさんの素敵な時間を、ありがとうございました。

なかなか面と向かっていえないので。

さいきん本題から外れた記事ばかりで申し訳ありません。しばらく原稿に集中したいので、ブログはエッセイでつながせていただきます。ご理解いただければ幸いです。

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