書いただけで、わからない授業。|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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書いただけで、わからない授業。

こんどは、ある算数の授業の例を。

せっかく見せていただいた授業を「失敗例」として紹介するのは心苦しいので、あえて学年や内容の詳細は書きません。

「書く」作業を有効に使っていた前回の保健の授業と比べていただくのが目的です。

その授業は、前半、その単元の復習をし、後半にテストという予定になっていました。

その「復習」に際して、まず先生が、問題を6問黒板に書きました。6問は、その単元で習った3つの公式をそれぞれ使い分けて解くものです。

先生は子どもたちに、黒板に書いた問題をノートに書き写した上で、答えも書くように指示しました。

ちなみに、その授業は「少人数授業」ということで、子どもは18人。おかげで私は一人ひとりのノートを覗いてまわることができました。その日予定していた事例検討会の対象となる子を中心に様子を見る予定だったのですが、直前に担任の先生が下さった座席表には、他にも3人の児童名にしるしがつけてあり、「気になるのでこの子たちも見てもらえますか?」とのこと。

みんな静かに、一生懸命問題を写していましたが、解答の方は・・・・飛ばしている子や、誤答を書いている子が非常に多く、すでに習っているはずにもかかわらず、すべて正しい答えを書いている子は3、4人という感じです。

テストを控えているので、あまり時間がありません。すぐに答えあわせです。

先生が1問1問について、解き方を確認していきます。

「こういう問題は、どこに注目すればいいんだったかな?」

だれかがボソボソっとつぶやいた声を、先生が拾います。

「そうだね。ここと、ここだよね。だから、式はどうなる?」

また、誰かがつぶやきます。

「OK。だから、答えは、こうだね」

そんな具合に6つの問題の解き方の説明と答え合わせをしている間、発言(挙手ではなく、つぶやき)をしたのは、私の記憶では決まった2人のみです。他の子どもたちは、だまってマルをつけたり、間違えたところを消しゴムで消して正しい答えに書きかえていただけでした。

「フツウの子たちは、今ので理解できるんだろうか?」

「フツウ」という言葉は、語弊がありますね。ただ、ご存知のとおり、私は普段、学習障害や発達障害の子どもたちの個別学習指導をしています。ここで言いたかったのは、私が教えている子どもたちや、先生が座席表にチェックを入れた子どもたち以外の子どもたちなら、この授業でもついていけるものなのだろうか?という素朴な疑問です。

で、そのあと始まった単元のまとめのテストが始まって半分ぐらい時間が経過したころ、私はもう一度全員の席をまわって、子どもたちの解答を覗いていきました。

ためしに、最初の1問目について数えてみると、18人中、正答が5人、誤答・未解答12人、(1人は確認できず)という残念な実態。

未解答の子が時間内に1問目に戻って正答できる可能性もありますが、もっとも基本的な問題でしたから、全員正答してほしいところ。それが実際には3分の2の子が、わかっていない・・・・。これではせっかくの少人数授業だというのに、です。

敗因は、「書く」と「考える」「計算する」、「書く」と「聞く」を子どもたちに同時に求めているところが大きかったと私は思っています。この日は時間がなくて、復習ということもあって、たまたまこういう形だったのかもしれません。でも、前半の時点でも「わかっていない」子がかなりいたことから考えると、日頃から、わからないまま進んでいく授業が続いているのかもしれません。

子どもたちは、一生懸命ノートを取って、正しい答えを写し取っているので、それなりに「授業を受けた」「勉強した」感覚にはなっていると思います。でも実際には、「どうやって解くんだろう?」「どうして、この答えになるんだろう?」と考え、理解し、定着させることができていないまま、終わってしまっている。しかも、わかっている一握りの子の発言(つぶやき)で授業が進んでいけば、なおさら「わかりません」と言いにくい。だから、だまって板書を写すだけに終始してしまう。ひょっとするとこの子たちは、板書を写すことが学習だと思い込んでしまっているかもしれません。

では、この授業の改善ポイントは?

まずはなんといっても、問題を事前にプリントしておいたほうが良かったと思います。

他にもいろいろあると思いますが、それは先生方お一人お一人の実践に反映していただければ嬉しいです。

授業についての記事は、なんだかマニアックでもあり、アンタッチャブルでもあり、私にとっては冒険なのですが、

やはり、わからない子どもを何とかしようとする前に、どの子にもわかる授業づくりから!・・・・と思うので、今後も続けていこうと思います。どうか嫌わないでください。

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