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これは教育の責任だ。~昨夜のニュースZERO特集を見て
昨夜、日テレのニュースZEROで、日本初の知的障害者専門の刑務所について特集をやっていました。
https://al.ssl.dai2ntv.jp/blog/zero/tokushu/2008/10/post_54.html
↑こちらの「動画」で、放送されたVTRが見られますので、ぜひ。
その後、記者とキャスターのコメントで、出所後の受け入れ先がないのが課題であること、それについては法務省、厚労省が来年度からの対策を検討中であることが付け加えられていました。
たしかに、その問題は重要なのですが、
そもそも、なぜ彼らはここにいるのか? という問題に戻れば
これは教育の問題だと思う。
犯罪を犯した人のうち、知的障害のある人が2割を超えている、という現状。(本当はもっと多いのではないだろうか?)
仕事がなかったり、だまされたり、利用されたりして、生活苦に陥り、食料の万引きや無銭飲食といった犯罪を犯す例が圧倒的に多いという。
あるいは家族や社会からの疎外感、ストレス、うっぷんが爆発して人を攻撃したケースも。
彼らはある意味、教育に見捨てられ、切り捨てられてきた人たちだ。
学校で、高学年になっても簡単な計算や、ひらがな・カタカナでさえ定着していない子を見かけることがある。また、学習にまったく取り組もうとしなかったり、反発したり問題行動を起こす子の背景に、学習の問題が潜んでいるケースもある。
年齢が上がれば上がるほど、周りの子たちとの差は開き、本人は助けを求めにくくなり、また教師は手を出しにくくなる。
結果、「どうしてここまで放っておかれたのか」と言いたくなるほど、問題が深刻化、複雑化してしまっている場合が少なくない。私は中学を見る機会はほとんどないのだけれど、おそらく非行、不登校、引きこもりなどとへと発展しているケースもあるのではないか。
サインはもっと早い段階から出ていたはずなのだ。常に、見逃され、あるいは見えていても手を打つことなくやり過ごされてきた、そういう子たち。
大人たちは、いいわけなら、いくらでもできる。
「放っておいたつもりはない」と。
本人が宿題をやってこない。やる気がない。補習を拒んだ。教えたけど理解しない。
親が勉強を見てやらない。支援級にいかないで通常級に在籍しているのが悪い。
先生がわかりやすく教えていない。勉強だけが大事ってわけじゃないからできなくてもいい。・・・・
そんなふうに誰かが誰かのせいにしても、子どもを助けることはできない。
これは、その子を目の前にしている全ての大人たち、一人ひとりに責任があるのだ。(もちろん、私も)
知的障害のある無しは、くっきりと2分されるわけではない。グレーゾーンが存在するし、知的障害はなくても発達障害や学習障害の子どもたちが学習につまずくリスクも高い。
だから通常級のなかにも「勉強がわからない子」はいるし、支援級や養護学校に通っていても、その子に適した学習がなされていない場合も多々ある。
前にも書いたけれど、学習の大切さは、成績や進学する学校のレベルがどうこうという問題ではない。
学ぶ力、考える力は、生きる力につながる。その力を育まれないまま大人になると、大変なことになる。その大変なことの一つが、こうした「犯罪」に加害者としても被害者としても巻き込まれることだろう。
教育が一人子どもを見捨てれば、刑務所に送られる人を一人増やしている、ということになりかねない。
「わからない子」の気持ち、置かれている状況について、またあらためて書きたいと思う。
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