授業に7つの学びの要素を|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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授業に7つの学びの要素を

「Aくんは、読み書きに困難があるので、ノートをとったり書く作業を嫌がるのだと思います。質問に口頭で答える機会を与えて理解を深めさせるようにするといいかもしれません。自信にもなりますし」
「Bくんは、目で理解するタイプのようですから、口で説明するだけでなくて、絵や図を補助的に示してあげた方がいいでしょうね」

巡回相談では、先生方とそんなお話をします。

時々(以前は3回に1回ぐらい、最近は10回に1回ぐらい)こういう返事が返ってきます。

「それはよくわかりますけど、でもねぇ、40人授業の中でその子だけにそこまでするなんて、無理ですよ」

誤解されたかな?と思って、説明しなおします。

「40人授業の中で、一人にだけ特別に手をかけるっていう意味じゃないんです。全体の授業の中で、そういう場面を作ったり提示の仕方を変えたりするってことなんです」

そう言うと、なるほどと納得してくれる先生もいますが、中にはますます驚く先生がいます。

「一人のために、そんな手間ひまかけた授業できませんよ!」

一人のために?・・・・いえ、みんなのために、です。
だって、学び方は一人ひとり違うんですから。

大掛かりなことを求めているわけではありません。いつもの授業を、ちょっとだけ意識する。それだけです。

食事の献立は、主食、肉魚類、やさい、汁物・・・の4色を組み合わせて、っていいますよね。高級食材を使ったり、凝ったものを作ることよりも、ふだんの食事で栄養をバランスよく摂ることがいちばんです。

授業も、いろんな種類の「アタマの栄養」をバランスよく組み合わせているのが、いい授業なんじゃないかなぁと思います。

一つのテーマについて、見る、聞く、読む、書く、話す、考える、する(計算、制作、実験、体験などなど)のそれぞれの要素をできる限り取り入れることで、子どもたちの脳のいろんなところを刺激する栄養になる。

カンの良い方はお気づきでしょう。この要素のヒントにしたのは、文科省の学習障害の定義です。
「聞く、話す、読む、書く、推理する、あるいは計算する能力の習得と使用に著しい困難を示す・・・」
付け加えるなら、不器用という運動面の困難もふくめたいところ。

これらのうち特定の能力について困難を抱える子がいたとしても、授業の中に他の能力を発揮する場面が用意されているなら、それでカバーできるではないですか。
「著しい困難」とまでいかなくても、人はそれぞれに得意不得意があるのですから、すべての子どもたちが、強みを生かし苦手を補いながら学ぶには、ただ話を聞くだけの授業も、ひたすら計算練習するだけの授業も、不十分。

だから、多感覚に訴える授業を。

で、ちょっと言葉遊びしてみました。

・・・読む
・・・見る
・・・書く
・・・聞く
・・・話す
・・・する
かん・・・考える

読み書きは好かん? (ひとりでウケる私)

ひとつの授業の中に「よみかきはすかん」の7要素の活動をバランスよく取り入れて。

うれしいことに、これだけいろんな活動を盛り込めば、注意集中の苦手な子にも、取り組みやすく飽きにくくなるでしょう。

45分授業に7要素が難しければ、1単元の中で帳尻を合わせても良いかもしれませんね。

それぞれの要素をどんなふうに取り入れるかは、先生の腕の見せ所♪

でも、ここでもあんな方法こんな工夫を紹介していきたいと思っています。
料理雑誌を見るような感覚で参考にしていただければ幸いです。

今月は、仕事が立て込んでいて、更新したくてもできずじまいの日が続いています。「なるほど」と思っていただけたら、応援クリックをよろしくお願いします。

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