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CTTって? 全体の40%を要支援の子どもで構成するクラス、というアメリカのトレンドが主流になる?!
ニューヨークレポート、第1弾です。
今日は、P.S.88(公立第88小学校)という学校に行ってきました。ニューヨークの公立校は、ちゃんと名前もあるのですが、番号の方が通称のようです。
秋に特別参加させてもらったニューヨーク市が推進している教員研修プログラム「スクール•アチューンド(SA)」。それを現場でどのように実践しているかを見ることが、今回の訪米の目的。P.S.88も、積極的にSAを取り入れている学校の一つということで、どんな様子が見られるか楽しみにしていました。
案内してくださったマリアン先生は、SAを学校全体で組織的に普及させていくための「コーディネーター」。各学年のテーマやそれぞれの子どもたちの状況にあわせて、どのような手法や教材を活用していくか、先生たちの相談に乗ったり、リーダーシップをとっていきます。
このSAとは何ぞや、とか、学校でのSAの実践の様子は、後日ご案内するCRN(チャイルドリサーチネット)での連載で詳しく説明していきますのでそちらをご参照ください。
今日は、CTT(コラボレイティブ•ティーム•ティーチング)について、少し書いておこうと思います。実は、前々回のニューヨーク取材のときに行った学校で、「このクラスはCTTです」と説明されたのが最初で、その時は「ふーん」という感じで流してしまったのですが、前回も今回も同じセリフに出会い、おっと?これってもしかして、一時のトレンドでは終わらない勢いなのかしらん…?!と再認識した次第。
CTTというのは、何らかのニーズがあってIEP(個別教育計画)が組まれている子どもたちと、一般(健常と書いた方がイメージしやすいかもしれませんが、それだとちょっと正確ではない気がする)をミックスした混合クラスに、担任が2人という体制です。IEPがあるということは、その子は何らかの支援が必要ということ。そうした子が周りの子たちをモデルに伸びていくことを狙ったものなので、その比率の上限は40%までと法律で定められています。教育のインクルージョンを、さらに積極的に追求したといってよいのでしょうか。
一般の子どもたちがレギュラーのクラス、CTTのクラスのいずれに振り分けられるかは当人や親には選ぶ権利は与えられている訳ではないそうです。でも、授業のレベルが下がるのではと懸念する親と、逆に2人担任制でより細やかに指導してもらえるメリットから好意的な親と、どちらの声もあるようです。
このCTTについて最初に聞いた時、なぜ私がスルーしてしまったか…。正直に言います。定着しないだろうと思ったんです。だって、1クラスに2人、3人の発達障害児がいるだけでも「大変、大変」とアップアップしている日本の先生たちの声を常日頃聞いていますから、クラスの4割の子が要支援だなんて「絶対ありえない!」「遅かれ早かれフェイドアウトするネタに違いないサ」と、内心鼻先で笑っていました。
それが、ですよ。
私は別に、CTTの取材に行った訳じゃないんです。なのに行く先々の学校で、たまたま「うちはCTTのクラスが何学級あって…」という話が出ること、連続3回。
おそるおそる、「アメリカではCTTっていうのをやっているという話は、日本でも話題になりはじめてはいるのだけど、これって今後も広がっていきそうですか?」と尋ねてみたら、マリアン先生も、ニューヨーク市教育庁のビルさんも、「間違いなく今後主流になっていく」と断言していました。
ちなみに、どのCTTのクラスをのぞいてみても、どの子が要支援の子かほとんど見分けがつきません。(もちろん、IEPで介助がつくことになっている子や座席を配慮されている子とかはわかりますが)
どの子も積極的に授業に参加してるし、それなりに集中してるし、先生が子どもに手を焼いている様子など一度も見ていません。特別支援が、教育のユニバーサルデザインが、それだけ効果的に機能しているということでしょう。
日本でもこれが当たり前になる日はいつ来るでしょうか?
写真は1年生のCTTクラスで授業をする先生。
今回は、ニューヨークからかなり重要で新鮮な情報を提供したという自負あり。時差ボケと闘いつつがんばった私に、応援クリックをいただけると嬉しいです。
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