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メモも指計算も「外部メモリ」~覚える・覚えている・思い出す・自動化する5
記憶の話を書き始めたら、落としどころを見失いつつあります(^ ^;) →記憶編まとめ読みはこちら
脳機能も筋肉と同じで、トレーニングである程度の向上が期待できるそうです。(で、「脳トレ」が流行る。)
だから、「記憶」に弱さを抱える子も諦める必要はなく、本人が強みを生かし不得意カバーするような学習スタイルを獲得したり、適切なやり方で努力できるように導いていければ・・・・と思うのですが、そのあたりの話は、いずれまた機会があればということにします。
このブログでは「先生が明日からできる」支援について考えましょう。
記憶の主な種類について色々書いてきたこれまでの話をちょっと念頭においてみると、「記憶」がらみのトラブルから学習に躓いている子どもにどんな手立てが考えられるでしょうか?・・・・・たぶん、限りなくあると思いますが、たとえば
「視覚的な記憶<聴覚的な記憶」だなぁ、と思われる子に漢字を覚えさせるとき、ただ何度も書き写させるのではなく「ノかいて、横三本、カーブでつなげて最後にはねる(手)」とか「てへんに寺で『持』」といった、言語的な意味づけを添えてあげる。
逆に「視覚的な記憶>聴覚的な記憶」だとしたら、言葉での丸暗記よりも図や絵などと合わせて示したほうが憶えやすいかもしれない。
といったような例は、定番中の定番ですからお聞きになったことのある先生も多いですよね。
さらに、私の出会ってきた子どもたちのエピソードも挙げてみますね。
*九九がなかなか憶えられなかったAくん。たったいま読んで練習した段でも、復唱できない・・・・。う~ん、短期記憶に入らなければ、長期記憶にも移しようがない。
そこで、一つの段を3つずつに分けてみました。たとえば、6の段をいっぺんに憶えられないなら、「まずは6×1=1、6×2=12、6×3=18の3つだけ憶えてみよう!」と。
これAくんにはなかなか効果があって、そのやり方で憶えた段は頭に入ったようです。短期記憶に入る量は平均7でしたから、もっと少ない子がいてもおかしくない。だとしたら、憶えるのが苦手な子には「少しずつ憶える」ように工夫するのも、一つの手かもしれません。
あるいは、
*繰り上がり・繰り下がりある暗算をする時に指を使ったり、比較的簡単な計算でも必ず筆算をするBくん。計算の意味も手順も理解していますし、分数や小数の四則計算だってできます。ただ、おそらくワーキングメモリーに弱さを抱えているのでしょう。だから、指や筆算は彼にとって「外部メモリ」の役割をしているのですね。どうか先生には、そのことを理解して「もう○年生なんだから指を使わずにできないと」とか「それくらいの計算、暗算でやりなさい」などと強要しないでほしいのですが・・・・。
というわけで、記憶に弱さを抱える子へのアプローチのポイントを整理しておきましょう。
- その子にとって覚えやすい方法をみつけてあげる。(頭に絵で思い浮かべる、言語化するなどその子の得意な種類の記憶をいかす。視覚支援や言葉での意味づけをしてあげるなど) →語呂合わせなども有効。
- 覚えられる量に配慮した教え方や指示、説明をする。(少しずつ提示する。短いフレーズに置き換えるなど) →割り算の筆算「たてる・かける・ひく・おろす」なんていうのもそれですね。また、複雑な指示は短く簡潔な言葉で。
- 必要に応じて、「外部メモリ」的な手段の活用を促す(メモを取ることを勧める。思い出せない時はヒントカードや九九カードなどを利用) →テストも、選択肢があることで答えられる場合もあります。想起しやすくなるからでしょうね。
- 憶えることを苦行から楽しみにする工夫(好きなものや知っている身近な物事に結びつけるなど) →覚えるのが苦手なほど、練習が必要。でも、覚えるのが苦手な子ほど、練習は苦痛なのです。その悪循環をどう断ち切るかが支援の要!
ここまで具体的に書いたのは久しぶりかも。先生方には、この範囲にとどまらず、もっと色々な方法で支援を試みてほしいなぁと期待しています。「こんなやり方もあるよ」というアイデアがある先生は、コメント欄にどしどしお寄せくださいませ。
なんとかたどり着いた「記憶編」まとめ。どうぞ1クリックを~。
↓↓↓
※参考文献 "The Mind That’s Mine" Dr.Mel Levine
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