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ビジュアル効果は明らか?~覚える・覚えている・思い出す・自動化する4
先日のM養護学校での研修の時に、参加者の皆さんにちょっとした記憶テストをしてもらいました。
15個の単語を提示し、そのあと120秒間で何個思い出せるか書き出してもらうというものなのですが、提示のしかたが次のようにかわります。
①音声での提示 ②文字での提示 ③音声と文字を同時に提示 ④音声と文字と絵を同時に提示
すると、結果は次のようになりました。(29人の平均点)
①8.4点 ②7.8点 ③8.6点 ④10.7点
データとしては数も少ないですし、厳密な実験・統計ではないのですが、それでも④でグンと平均点が挙がっているのは、参加していただいた皆さんにも実感していただけたと思うのです。
つまり。
「口で説明するだけ」よりも、「書いて見せるだけ」よりも
「絵や写真を添えて」示す方が、記憶に入りやすいみたいだぞ。
と。
これ、どんな授業をしていくか、どんなふうに指示したり説明したりするか、あらゆる場面にダイレクトに関わってくるデータだと思いませんか?
(「たしかに、新聞も写真入の記事のほうが印象に残るからなぁ」と、副校長先生も休憩時間におっしゃっていました。)
で、もう少し詳しく見てみると、29人中
①の方が②よりも成績が良かった人が15人
②の方が①よりも成績が良かった人が8人
残りは①と②の得点が同じ。
つまり、「耳から聞いて覚える方がいい人」と「目で見て覚える方がいい人」がいて、それは人それぞれ違うわけだから、聴覚的にも視覚的にも、両方から訴えるような授業や指示ができるといいですね・・・・・というオチになるはずだったのですが、
想定外のことが起きて、ちょっと焦りました。
③の「音声と文字」を同時に提示したときに、成績が下がった人が続出。。。あれれ?
目から覚える人、耳から覚える人がいるわけだから、目と耳と両方に訴える提示をすれば効果倍増だろうという私の予想は裏切られ、③の平均点は思ったほど伸びなかったわけです。
これについて、同僚とあーでもないこーでもないと話したのですが、もしかすると、「両方同時」に提示されると、得意な方の記憶の機能を邪魔する何かが働くのかもしれませんね。。。
でもまてよ。もしそうだとすると。
「学校の授業にしろ、講演のプレゼンにしろ、文字と音声を同時に提示することって多いよねぇ・・・・」
もしこの結果が確かなものならば、「覚える」ためには「読みながら聞く、聞きながら書く」より、読む時間と聞く時間を別々に確保した方がいいのかもしれません。
これはちょっと気になるところなので、来月ある別の研修でも同じ傾向が出るかどうか、試させてもらいたいと思います。
記憶編、迷走しつつも続きますが、次回は、またまた研修報告の予定です。
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※参考文献 "The Mind That’s Mine" Dr.Mel Levine
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