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課題に子どもを合わせるのではなく、「子どもに課題を合わせる」ということ。①
確定申告だ原稿書きだと、クソ慌しい(お下品!)ときに一時間半かけて書いた記事が、アップしようとした瞬間、「じゃん!」という警告音と共に消え去りました。そんなわけで非常に機嫌が悪い中、記憶までもが消えないうちにと、書き直しています。。。。
ちょっと前の話ですが、うちのミーティングの終わりがけに、スタッフCが「あのー、Aくんのことなんですけど・・・」と切り出しました。彼女の悩みは、こうです。
●Aくんは、ものの名称(名詞)、動作を表す言葉(動詞)はよく理解できてきているので、形容詞的な概念を教えようとしているのだが、全然わかってもらえない。Aくんには限界なのでしょうか?
限界・・・・?
10年選手の私とスタッフBは、思わず「う~ん、限界ねぇ・・・」とうなってしまいました。
「限界」という言葉、教育や療育の世界ではあまり使わない、というか、なじまない気がするのです。
「○○くんに、△△を教えたが、できない」
このとき、確かにまず考えなければいけないのは、「なぜ?」でしょう。でも、
「○○くんに、△△を教えたが、できない」 → 「○○くんに、△△はできない。無理!」
という発想は、教える側が子どもの可能性を見限ることになります。
10年選手の私たちの頭の中には、ピピピピピピと浮かんできます。「自分だったら、あーして、こーして、こう教えてみるなぁ」と。でも、それをそのまま1年目のスタッフCに伝えても、あまり意味がないように思うのです。
なぜなら、それはあくまでも「私がAくんに△△を教えるなら、こうしてみる」という一つのの例に過ぎず、「自閉症児に形容詞を教えるときはこうすればいい」という絶対的な正解があるわけではないからです。そこのところを理解していないと、たとえばそのやり方でやってもAくんができなかったら「やっぱりAくんには限界なんだ」ということになってしまうし、AくんにできてもZくんにできなかったとしたら「Zには無理なんだ」という話になってしまいます。
だいいち、それではスタッフCが伸びない。私たち10年選手がピピピピピピと「こうしてみたらいいかも」という手立てが思い浮かぶのは、この10年の試行錯誤の蓄積があるからで、1年目のころは、そうはいかなかった。もしスタッフCが「Aくんには限界」と見限ってしまったら、その時点でスタッフCの教えるスキルが向上する可能性も消えてしまうわけです。自分の教え方を見直し、あらためてみることを繰り返さなければ、10年経ってもピピピピピピはやってこない。ちなみに、うちには5年選手のDというスタッフもいます。彼女は特別な資格やズバ抜けた才能を持っているわけではないけれど、1年目のころに比べて教えるのが格段に上手くなったと、最近つくづく感心しています。子どもがわからないとき、とことん試行錯誤する彼女の姿勢が、今につながっているのだと思います。
学校の先生も、そうではありませんか? 「授業がわからないのは、その子ができないから」と考える先生と、「わからない子がわかるようにするには、どう教えたらいいだろう?」と試行錯誤する先生、10年後20年後、どちらの授業技術がアップしているか、考えるまでもありませんよね。
勘のいいスタッフCは、私たちの「う~ん」ですぐに悟ったようです。「課題の出し方を考え直さなければいけないんですね」
はい、そのとおり!
さてここで、10年選手は1年目のスタッフCに何を伝えるべきでしょう。「あなたの教え方の問題なんだから、勝手にがんばりなさい」では、先輩としてあまりにも能がなさすぎます。要は、試行錯誤するにあたって何を念頭においておかなければいけないか、そこのところでしょう。
具体的には、次回以降に続けたいと思いますが、そのときは「ヒントになると思うよ」と、このDVDを机に置いておきました。さっそく持ち帰ったスタッフCが、今後どんな工夫を重ねていくか、楽しみです。
※ちなみに、このDVD、今なら割引価格で買えるらしいですよ。事例として紹介されているのは比較的重い自閉症のお子さんですが、障害の種類や重い軽いにかかわらず、課題作りの大事な「考え方」という意味では、普遍的だと思います。先生にも親御さんにも(自閉症のお子さんとかかわる方は特に)お勧めなので、このブログで宣伝してもいいかと問い合わせたところ、そんなところに書いても大して影響力ないだろう?って。そうかなぁ。紹介した本は多少影響力あったみたいだけどなぁ。。。 ということで、ご購入になる方は、よかったら「はるえもんのブログで見た」と一言添えてやってください。
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