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「正規分布」の衝撃 さあ大変だ。どうする通常級の先生?!

昨日から3日連続で、特別支援教育士のセミナーを受講。12月23、24、25日に毎日6時間の講義ですよ。どのくらいの人が受講するのかと思いきや、今日も満席でした。全国各地から東京に集まってきてお勉強されている先生方に、メリークリスマス!

さて、今日私が受けたのは東京学芸大学の小池教授の講義でした。講義の本題(読み書きの指導について)に入る前から、衝撃を受けてしまったのが、「正規分布」のお話です。

「平均から±2標準偏差に95%が含まれるわけだから、いわゆる『知的障害』の域に2.5%いる計算になるのに、現在障害児教育の対象となっている子どもは全体の1.5%」

意味分かります?

大学で心理学を学んだとき散々悩まされた「統計学」ですが、今日は頭の中でピタリとピントが合いました。そして、「うわぁ、そうだ、そうなんだ!」と、再認識したこの事実を、ここで噛み砕いてお伝えしたいと思います。

たとえば、身長。ある同年齢集団の100人を、身長順にずらっと並べてみたとしましょう。平均値を中心としてその前後の範囲の身長の人たち約68人を「ふつう」とし、次の前後16人をそれぞれ「背が高い」「背が低い」人たちとします。さらに「背が高い」「背が低い」の範囲に入った人たちのうち、一番高い2~3人を「すごく背が高い」、一番低い2~3人を「すごく背が低い」人たちといえます。・・・えっと、この説明が正確なのかどうか責任は持てませんが、要するに統計的にそうみなすということです。

この100人が同じ会場で同じ規格の机と椅子を利用するとしましょう。やはりそのサイズは平均的な人たちの身長に合わせて作られていますから、平均域よりも背が高い人低い人は、ちょっと使い心地が悪いでしょう。「すごく背が高い」人や「すごく背の低い」人は、もっと困るかもしれません。

WISC-Ⅲという知能検査をとったときに出てくるIQも、同じ考え方を用いているので、理論上は全体の68%にあたる「平均域」の子どもたちよりも「遅れが見られる」子どもたちが16%いると仮定されます。さらには「知的障害」という範囲に入るIQ70以下の子どもたちが2.5%いることになるわけなのだけれど、盲・聾・養護学校、特別支援学級、通級学級に在籍している子どもは全体の1.5%。つまり・・・残りの1%は、通常学級に在籍していて今のところ何のケアもされていない・・・ということも数字から推測されるわけです。

巡回相談に行くと、あるいはウチで個別学習指導を受けている子の学校から、「この子は通常級でどこまでやっていけるのか?」という声が先生からあがることがあります。でも、そんなこと言い出したらキリがないわけですよ。だって、身長とおなじです。「155~160センチ」用の服が、154センチの人は着られないか? 153センチだったら? ・・・ IQ70という数字だって、あくまでも目安に過ぎず、本人や受け入れ側の様々な条件や考え方次第で、やっていけたりやっていけなかったりするものです。

「当店の洋服は1サイズしかご用意していませんので、平均よりも背が高い方、低い方は入店できません」なんていう店、あります? どのメーカーだって、いくつかサイズをそろえているものだし、場合によっては裾上げや裾出しのサービスもするでしょう。それでも、どうにもこうにもフィットしない「すごく背が高い人」や「すごく背の低い人」には、大きいサイズや小さいサイズの専門店という選択肢も出てきますが、セミオーダーメイドで柔軟に対応できる店もあります。

さて、来年度から本施行の「特別支援教育」。色々な制度が変わりますが、何より大きいのが、「通常級にも特別な支援の必要な子どもたちがいる」ということが前提となることでしょう。でも本当は、こういう子たちが突然現れたわけではなく、昔からいたのです。何も手を打ってこなかっただけ。変わらなきゃ、は先生方の意識。これにかかっています。

さあ、大変だ。

尻切れトンボで推敲も甘いですが、今日は寝ます。

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