それは本当に「問題行動」か?|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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それは本当に「問題行動」か?

先週末は大阪に行って、特別支援教育士のセミナーを受けてきました。午前・午後で計6時間の講義を3日間。けっこうしんどいです。そこで私は講義を受けている間、靴を脱いで素足になっていました。だってずっと座ってると、足むくむし、蒸れるし、疲れるし・・・・。「行儀が悪いと思われるかしら」と思って周りを見渡すと、なんと、あっちにもこっちにも私と同じように靴を脱いでいる人たちが何人もいるではないですか。ちなみに、受講者のほとんどは学校教員です。

そこで私はふと反省したのです。個別指導での勉強中に靴を脱いだり、靴下を脱いだり、あぐらをかいたりする子どもたちに対して、「お行儀が悪いからやめなさい」と言っていたんですよね、私。でも、その私自身が、長時間席についていなければいけないときは(飛行機の中とかも)無意識のうちに靴を脱いでるし、原稿を書くときは椅子の上にあぐらをかいています。お行儀云々ではなく本能的または体験的に、その方がリラックスできたり集中できたりすることを知っているからです。だけど、子どもたちに対しては、「お行儀」という基準だけを押し付け、長い時間席について勉強している子どもの苦痛には思い至らずにいる・・・・勝手な話ですよね。

だいいち、ルールや常識の基準も、文化や時代、置かれた環境によって変わります。特に教育現場は、理不尽なルールや「常識と思い込んでいること」にとらわれていることも少なくありません。そのつど見直しが必要かも。授業中に裸足になってしまう子に対しても(発達障害児には感覚過敏の子や、暑さに弱い子も多いです)、「授業の開始と終了の時は、ちゃんと履こうね」にしてもいいのかもしれません。また、こういう時はいいけど、こういう時はよくない、という明確な指標を教えてあげる必要もあるでしょう。(とくに、臨機応変に応用できない自閉系の子どもたちには説明が不可欠です)

文化の違いといえば、このセミナーを東京会場と大阪会場の両方で受けた私が戸惑ったのが、小テストの時間。東京では、テスト用紙を裏向きに配り、全員の手元に渡った時点で「始めてください」とアナウンスされて開始し、終了のアナウンス後にテストを回収します。ところが大阪会場では、用紙を表向きに配って、受け取った人からどんどん書き始めている。そして、終えた人からテストを提出してどんどん退室していくのです。

いやぁ・・・関東・関西の文化の差、気質の差が見事に出ていると感心してしまいました。いらち(せっかちですぐイライラする)関西人は「待てない」。みんなに配り終える前から書き始めて、終了時刻になっていないのに自分ができたらさっさと帰るなんて、東京の人から見たらADHDでっせ。一方、東京の通勤ラッシュ時の「整列乗車」をご存知でしょうか? 次の電車に乗る人、次の次の電車に乗る人、きれいにきちっと無言で並ぶ人々のあの整然とした駅の光景を。そんな気質だからこそ「全員配り終える前に問題が見えたら不公平だ」などというクレームが必ず出るわけですね。融通が利かず、こだわりが強く、理屈っぽい関東人はどちらかというとアスペルガー的。(笑)

ちなみに、私は東京出身の父と大阪出身の母を持つハーフなのでADHDとアスペルガーの両方の気質を備えています。(?)

なんでこんな話をしはじめたかというと、親や教師など大人たちが、いわゆる「問題行動」とみなしている子どもの言動のほとんどが、実は真の「問題行動」ではない、ということです。

「待てない」?・・・待たなければいけない時間が多すぎないか?

「集中力が無い」?・・・不要に長い時間の集中を強要していないか? その作業や活動は退屈ではないか?

「ルールを守らず勝手なことをしている」?・・・そのルールは本当に必要なルールだろうか? そのルールは、誰でもが理解できる、どこでも通用するルールだろうか?

「ひとりごとを言う」「手をひらひらさせる」etc.・・・それ誰かに迷惑かけてます? 

昨日うかがった中学校で昼食をいただいたのですが、校長先生がおっしゃってました。「ぼくら子どものころ、『給食は残してはいかん!』と徹底されて今もそれが染み付いていているのだけど、ありゃぁ戦後の食べ物が無い時代だったからなんだよなぁ」

基準を変える、ルールの適用幅を見直す、非常識な「常識」を廃することから、まずは始めてみませんか? 

もちろん、それだけでは解決にならないことも、色々ありますが。具体的な話は、またおいおい進めていきましょう。

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