「あなたが選んで・・・」|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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「あなたが選んで・・・」

早いもので、もう来年のカレンダーや手帳が店頭に並ぶ季節になりました。
「今年中に」と思っていること、いくつこなせるか、ラストスパートをかけたいと思います。
さて、今月の通信コラムより

●急な冷え込みが続いた10月、息子のタンスに長袖が一枚もないことに気付き、あわててユニクロに走りました。子ども服売り場をうろうろしていると、お母さんと娘さんらしき二人組が目に入りました。
●小学校低学年くらいのその女の子は、服を選ぶことにあまり興味はないようで、陳列棚を横目に、ウロウロ往復しているだけ。そんな娘さんにお母さんは苛立ちを隠せない様子で、「ねぇ、早く決めてちょうだい。どれがいいの?」と言いながら後を追います。女の子は、どの服がいいのかなんてどうでもいいのか、お母さんの言葉が耳に入らないのか、ガン無視。「もーっ、ねぇ! 何色がいいの? ママは紺がいいと思うけど、でも着るのはあなたなんだから、あなたが選んで。ねぇ、どうするの? どれっ?」・・・お母さんの語調がヒートアップしてきて、そろそろやばいと思ったのでしょう。とうとう女の子が、「これ」と、白いフリースを指差しました。
●やれやれ、ようやく母娘に平和が・・・と思った瞬間、そのお母さんの一言「いやー、白はやめなさいよ、汚れるから~」。娘さん、ムッとしつつも気を取り直し、「じゃ、これ」と、別のフリースをさすと、「ええー、紫だけは勘弁してちょうだい。趣味悪いから。さっきママ、ピンク譲ったでしょ。ね、おねがい、白と紫以外で。どれがいい?」…笑いをこらえきれず、私はその場を離れたので、振り出しに戻った二人の会話が、その後どうなったのかは知りません。
●子どものやる気を高めるのに良い方法のひとつは、「自分で選ばせる」「自分で決めさせる」という要素を取り入れることです。でも、気をつけて。子どもは「自分の決めたことを否定される」「自分で決めて良いといわれたが、実は選ぶ余地などなかった」という経験を重ねれば、あっというまに意欲も主体性も失いますので。


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