便利さと発達との気がかりな関係|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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便利さと発達との気がかりな関係

昨夜はまぶしいほど輝く十五夜の月を息子と眺めながら帰宅しました。
どんなに時代が変わっても、変わらないものもありますが。
今月の通信コラムは、変わる環境と育ちのかかわりについての一考察。

●アップル社が先日発表した新作i-PhoneXには、ホームボタンがなくなったそうです。究極のシンプルなデザインで、指先の操作はますます軽くなるのみならず、音声起動や顔認証といった機能が台頭し、もはや指の操作さえも不要になってきました。
●欲しいなぁという個人的な欲求と裏腹に、i-Phoneに象徴される「機器の発達」が「人の発達」にどのような影響があるのか、気になります。アンダンテプリモに通ってきてくれている幼児さんを見ていると、生活の中のさまざまな動作や操作と脳の発達がつながっていることを実感します。たとえば、ハサミで紙を切るという動作も大人は何も考えなくてもできますが、初めてハサミを持つ幼児は、持ち方、向き、手指の動かし方、力加減経験を重ねるうちに上手く切れるようになる。つまり、「ハサミで切る」という動きが「学習」されるのです。
●このような学習は日常生活のあらゆる場面でおきているのですが、一昔前、二昔前に比べてさまざまな動作・操作が「軽く」「少なく」なっているような気がしてなりません。たとえば、銀行のATMや切符の券売機からボタンが消え、タッチパネルが主流になりました。水道の蛇口は「ひねる」タイプのハンドルからレバー式のハンドルへ、はたまた近頃は赤外線で、触れなくても水が出るものにもしばしば出会うようになりました。ドアノブしかりです。これらは間違いなく便利で楽で、高齢者や身体的な障害のある方には欠かせないものです。ただ、さまざまな動きを経験しながら脳が発達していく時期の子どもたちには、かつて無いほどその機会が生活から減っています。
●アンダンテプリモで製作遊びや感覚遊びを積極的に取り入れているのは、そのような現代だからこそ、幼児期に意図的に手先や身体を使って楽しむ活動を大事にしたいというのも理由のひとつです。


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