「強み」と「強さ」|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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「強み」と「強さ」

休日。ただいま台風通過中。息子お昼寝中。久々のブログ更新を思い立ったしだい。
先週、島根県へ出張に行ってきました。諸般の事情で子連れ、しかも台風接近で万が一を考え1日前倒しで出雲入りしたので、出雲大社、電車から眺める宍道湖、松江城など夏休み延長気分で観光も。
仕事は翌日、温泉宿の大広間で午前は100人の先生方にUDL(学びのユニバーサルデザイン)の概要をお話しし、午後の分科会ではたっぷり演習という、贅沢な研修会でした。
当日、2名の方から直接ご感想のアンケートを受け取っております。
内容を要約しますと
「これまでは教科書の内容を何とか身につけさせたい、こなしたいという気持ちが強かったが、そうではなく本当に身につけさせたいこと(ねらい)に向かって、全ての子に学びを保障していくことが大事だと思った。今まで当たり前だと考えていたことを見直して、もっと柔軟に、もっと強い気持ちで色々な子どもたちに向き合っていたい」
という前向きなご感想と
「10年ぐらい前に1年生の算数でブロックをつかむのが難しい子がたくさんいて、百玉そろばんを使って指導していたが、教科書と同じようにブロックを使って教えないと(単元)テストの問題もわからないし、他の教員が教えた時に子どもがやり方が違い混乱すると指導を受けた。教科書をそのまま教えないといけないという観念がある現場で個に応じたオプションを実践していくのは難しい。一斉指導から抜け出していくことは厳しいようにも思えた」
という率直なご感想をいただいています。
同じ場で同じ話を同じ時間聞いていた2人の先生が、対照的なコメントを寄せてくださったのも、午前中の講義で体感していただいた「人は多様である」「脳は一人ひとり違う」ということを実証しているようで面白いですね。“カリキュラムの障害”(学ぶ上での支障となるもの)を取り除くことと同様に、先生方がUDLを実践していくうえでの固定観念という壁もあるかと思います。それをどう取り除いていくか。意識の変化と柔軟な対応、そして小さな挑戦から…ですね。
また、私はお先に失礼いたしましたが、その夜の懇親会では、「就職では枠に当てはまらない子は切り捨てられる。UDLで育った子供が社会で生きていけるのか」という話も出たそうです。
UDLは一人ひとりの学びの保障、自分の強みを生かし自ら選択・実行できる学習者を育てることが目的であって、自分勝手な人間が育つとかいう心配を私は感じたことがなく、それ以上に、枠に当てはまらないがゆえに学べないでいる子たちがこのままでいいのかという問題の方がずっと重く受け止めています。
ところで、自らの強みを知りそれを活かすという力は、結果的に生き抜く力になるのではないでしょうか?
たとえば盛り上がっているオリンピック。
400メートルリレーで日本が銀メダルを取るなんて、予想だにしていませんでしたが、本人たちはメダルを取りに行くつもりで走っていた。4人のタイムを合わせても、ジャマイカやアメリカなどには到底かなわないはずなのに、なぜ? ――いわずもがなですが、自分たちの強みである「バトンパス」の技術を磨き、それを自信にして世界の陸上強豪国と互角に闘えたのですね。
そもそも島根という土地は、そんな自らの「強み」の見出し方がうまいなぁと思うことしばしばありました。
新幹線も走っていない山陰の地でありながら、下手なテーマパークとかじゃなく“本物の”観光資源で勝負できちゃう素晴らしい“ご縁の国”でした。
この場を借りて、お招きいただいた島根県特別支援教育研究会の皆様、ご参加いただいた先生方に感謝申し上げます。
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憧れの検札鋏。鉄道博物館じゃなくて、本物の駅員さんに本物の切符を切ってもらう!
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ローカル線らしさという強みを徹底的に前面に出す一畑電鉄。
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宍道湖が広がる車窓! 
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いかにも忍者が出そうな。(土日限定なようで会えず、残念でしたが)
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現存天守閣の一つである国宝松江城。

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