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鹿賀丈史と六本木ヒルズでフルコース?!
先日、六本木ヒルズで開催中の「ボストン美術館展」に行ってきました。
じつは私は本家のボストン美術館に3度も行っているし、誘った友人も2度行ってる。
今さら東京で、それもきっと混んでる日曜日になぁ・・・、という気もしなくもなく、「まぁ、タダ券もらったし・・・」という感じで出向いたのですが、
結果的には、行ってよかった。正直なところ、ボストンで見たときより絵を楽しむことができました。
理由は、実は、「音声ガイド」が面白かったんです。
入り口で500円で貸し出している、イヤーフォンを耳にかけて、絵に表示されている番号を押すと、その絵についての解説が聞ける、というものです。
「ナレーションは鹿賀丈史さん」というのが「名画のフルコース」というキャッチコピーにピッタリだと(絶対ねらったな。・・・by狙われた世代)大ウケして借りたのが、当たりでした。
というのも、私は美術館に行くのは好きだけど、絵画や美術に関しての知識は全くないし、ましてレンブラントの肖像画やエル・グレコの宗教画などは、いつもなら素通りしてしまうジャンル。ところが、鹿賀さんのあの声にいざなわれ、絵の見所や時代背景、作者のエピソードなどに耳を傾けながら絵を眺めると、なるほど、なるほど~と、目の前にある絵をその価値や面白さを実感できます。
あー、おなかいっぱい♪
帰ってから、招待券をくれた知人(関係者)にお礼のメールを出し、音声ガイドがすごく良かったと感想を伝えたら、「じつは、鹿賀さんの説明はくどいとかしつこいといった悪評も。そもそも、キャラクターが濃いからね」というお返事。思わず「いやいや、濃いキャラだこその人選では? あの絵のラインナップとバランスが取れる人が、ほかに思い浮かばない」
な~んてやりとりを通して、妙に考えさせられました。
本質は、「鹿賀さんの音声ガイド」ではないのです。
まず、あの膨大なボストンの所蔵品の中からどの絵を借りてくるか、というところから、この企画はスタートしているはずです。誰かによって選ばれ、そして日本に運ばれてきた数十点の絵は、いわば重・濃・大・・・・どうですか、といわんばかりの、ズッシリ系。なるほど「名画のフルコース」というわけです。そこでまた、誰かによってその展示の配列が構成されたりする。見せ方の工夫も巧みです。しかし、私のような素人は、それでも「ふーん」で通り過ぎてしまいかねない。そういう人たちにも、この絵たちを見てほしい、知ってほしい、面白さや意義に気づいてほしい。そこで、エンターテインメントとしての音声ガイドによるナビゲーション。ナレーションは誰が適任か? ・・・・ここは鹿賀さんでしょう、となるわけです。(いや、きっとそうに違いない、と私が思っているだけですが)
もちろん、なかには絵画に十分な知識をお持ちで、もっと自分の視点で鑑賞を楽しみたい観客もいるでしょう。そういう人は、音声ガイドを借りる必要はない。あくまでも「オプション」なんです。
つまり、企画者の意図や、作品の持つ価値が先にあって、鹿賀さんの派手な(くどい)語り口による解説という「手法」は後からついてくる。もし「ピカソ展」や「浮世絵展」のナレーションだったら、間違っても鹿賀さんの声はありえない。これは、企画者や主催者が、作品について知り尽くし、見せたい相手(つまり客)の傾向を十分に考慮しているからこそ、成功しているんですね。
このことは、何についても言えると思うんです。
授業にしても、療育にしても、先に手法ありきではいけない。
研修で「理念や理論より、具体的な方法を教えてほしい」とリクエストされることがしばしばあります。たくさんの手法を知っている、つまり、引き出しを多く持つのは、もちろん良いことなんですが、それ以上に私は、子どもたちの特性を理解することと、教えるべき課題や教材のねらいについて十分に理解することの大切さをいつも感じています。手法は後からついてくる。それも自ずと。順序を間違えると、うわべだけの「ものまね」に終わって、子どもたちの学びにも、支援にもなっていない、ということになりかねないからです。
UDLガイドラインの本文を、一通り“解読”し終えました。
この“名画”をどう届けるか、どうしたら先生方に、立ち止まって「なるほど、なるほど~」と思ってもらえるか・・・・・知恵を絞り、形にしていきたいと思います。
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今年は仕事とプライベートのバランスを心がけていますが、今月からじわじわと「期日の決まっている仕事」が増えてきます。時間の使い方を考えつつ、でも追い込まれないように。。。
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