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映画「プレシャス」と「東京都心のホームレス知的障害3割以上」の記事に思う。

昨日、「プレシャス」という映画を見てきました。

舞台はニューヨーク、ハーレム。どこまでも、どこまでも、悲惨な境遇に置かれる主人公の日常、最後の最後まで、不運を呼び込む彼女の人生。何とも重い気持ちになりました。

ただ、唯一の希望といえば、退学になった彼女がオルタナティブ・スクール(代替学校)で読み書きを学ぶことと、それを支える教師や友人との出会いを通して、絶望と諦めの中から這い出し「自分のことは自分で決める」というまでになった。それだけで、シビアな境遇は変わらない。

でも、おそらくこの映画が伝えたかったことは、それ、つまり“学ぶ喜び”がどれだけ人に力を与えるかということで、そう思うと、たしかに映画にも自分の仕事にも、ほんの少し希望を見いだせるような気もします。

私はニューヨークで“成功している学校”(ハーレムやブルックリンでさえも)しか見てきていないし、当然治安の良い落ち着いた環境の地域に滞在するので、なかなか自分の目では確かめられない“現実”もあります。そういう“現実”は映画やドラマでしか見ていないという皮肉。

この“現実”は決して、よその国の話ではなく、もちろん日本にも、東京にも、厳然として存在しています。たとえ普段は表面には見えて(見て)いなかったとしても。

昨日の朝日新聞で、「都心部のホームレス 知的障害3割以上か」という記事がありました。

調査は昨年のものなのですが、大きな課題を突き付けるデータです。

貧困やホームレスの問題と、障害者支援の課題が大きく重なるということが(もちろん経験的には以前から言われていたことでしょうが)、調査で明確に示されたということですね。

ところで、

記事中に、最終学歴が小学校2%、中学校56%とあったので、特別支援教育を受けていた人の数字を確認したく、記者さんに問い合わせたところ、「そこまでの詳しい発表資料はない」そうですが、内訳について回答をいただきました。

小学校 3人

中学校 94人

高校 54人

大学5人

その他 11人

「その他」に養護学校等が含まれているのかもしれませんが、とにかく、わざわざカテゴリーを分けるほどの数ではなかったのだろうと考えると、そう多くはないのでしょう。

とすると、・・・・ここからは推測、憶測の域を出ませんが

知的障害が軽度で、周囲から(支援の必要性が)気付かれなかったケースや、

支援の必要があると多少の認識があったにもかかわらず、なんらかの理由で受けられなかった(もしくは受けなかった)り途切れてしまったケース、

などが多いのだろうか?と想像しています。実際のところがどうなのか、引き続き詳しい調査がなされて行くことを期待します。

ところで、福祉の枠組みでの「支援」と、教育における「支援」は、少し違うような気がします。

教育の目的は、一人ひとりの発達を支え、可能性を伸ばすこと。その知識の種類や量やレベルが問題なのではなく、自ら考え、判断し、行動し、それを継続する力(「プレシャス」の主人公がそうであったように)を育むことです。だからこそ、教育における「支援」は、子どもの発達を促すためのもので、阻害するものであってはなりません。

「インクルーシブ教育」も、そのように広くとらえるべきで、ただ“同じ場にいる”ことがインクルージョンかつ平等なわけではなく、一人ひとりが自分の学びを達成できることが究極の目的になると私は思います。(だからもちろん、特別支援学級も、特別支援学校も、必要な子には当然必要な選択肢です)

そんな学びを支えられる教育が、どのようなものであるべきか、長い長い模索は永遠に続くのでしょうね。

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のんびりと、でも充実した休日を過ごし、心身ともに活力を得た気分です。

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