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都立高入試における配慮を申請できることを中学の先生はご存知でしたか?
発達障害の子どもたちにとって、試験でのハンディは決して小さなものではありません。ですから、そのハンディを補うための配慮がIEPに記載されることは、アメリカでは既に定着しています。
「配慮」と一口に言っても、もちろん個々のニーズによって色々です。たとえば、読み書き障害の生徒のばあい、問題の読み上げ、漢字に読み仮名を振る、拡大コピー、試験時間の延長、口頭での回答(代筆)など、ADHDの生徒であれば、別室受験や問題用紙への回答記入などが挙げられます。
これらは「ずる」でも「特別扱い」でもありません。目の悪い子にめがねが必要なのと同じように、その子に必要なものです。
こうした試験の際の配慮は日本でも必要だ!と常々思っていたのですが、なんと、既に「ある」そうです。ご存知でしたか?
東京都の話ですが、もともと、かなり以前から、視覚障害や聴覚障害のある生徒、車椅子使用の生徒などの都立高校受験の際は、申請すれば問題の拡大コピーやルーペの使用、問題文の読み上げ、リスニングの代わりに筆記問題に変更、別室受験などの措置がとられていました。これが、何らかの発達障害でニーズのある生徒が受験する際も対象の範囲になっているのです。
「東京都立高校等募集案内」記載のQ&A(クリックするとリンク先に飛びます)のQ11の説明がそれにあたります。たった3行の記述ですが、重要なポイントは、その申請は本人ではなく「中学校の先生」が行うことになっています。
さきほど、「東京都教育庁指導部義務教育特別支援教育指導課」(長っ・・・!)というところに突撃電話をかけ、担当指導主事にもう少し詳しいお話を伺いました。
以下、私の質問と回答の要約です。 (注:これは一問一答の記録ではありません。私の解釈で概要をまとめたものです)
●発達障害の生徒がこの措置を実際に申請して受験の際に配慮をされたケースは、これまでどのくらいありましたか? また、具体的にはどのような例がありますか?
→件数については公表していないので答えられませんが、都立高校については9~10月に中学校の先生を対象とした説明会で配布する要綱の中に、申請の書類が入っています。(提出は12月)
別室受験、問題の拡大コピー、振り仮名、解答の口述筆記(代筆)、試験時間の延長などが考えられます。
申請したからといって必ず認められるわけではありませんが、重要なのは、「中学ではどうしていたか」です。中学校の定期テスト等でそのような配慮が必要とみなされ支援されていたという実績があることがポイントになります。
●つまり、個別の指導計画にのっとって行われている、その子にとって必要な支援であることが明確でなければいけないのですね? 私の印象としては、個別の指導計画はようやく先生方が書き方を勉強し始めたという段階の学校が多いですし、小学校に比べると中学校の方が特別支援教育への関心が低いというか、実際にLDやADHDなどのお子さんが定期テストでそのような配慮をしている例を私はほとんど見ていません。今後、巡回相談や研修の際に、この都立入試での措置についても説明して、だから中学校での特別支援が大事だ!と話していきたいのですが・・・・
→「入試での措置のために、中学でも配慮を」という言い方はおかしいでしょう。あくまでも、中学校の学習において必要な支援だから、やるわけであって。 (確かに(^ ^;))
それにしても、○○区ですよねぇ? もっと進んでると思いましたが? (いや~、それがその・・・すみません(汗))
私が現場にいた何年か前にも、このような配慮をしている事例は色々ありましたよ。
でも、実際にこういう申請ができることを知らない先生や親御さんも多いですね。今後、小学校で特別支援を受けていた子が中学に入れば、当然「中学校でも支援を」となっていくでしょうから、徐々に浸透してくることが期待されます。そのためにも、個別の指導計画や支援計画をきちんと作成して、どのような支援が必要で、どのような配慮がなされてきたのか、記録として残っていることが重要になってきますね。こちらとしても、いっしょうけんめい言っているところですが・・・
●なるほど。先生方にもっと知ってもらって、特別支援の具体的な実績をつくっていくことが大切ですね。がんばります。
ということで、お忙しいところ突然ご連絡したにもかかわらず、丁寧にご説明くださいまして、どうもありがとうございました。
皆さんの地域でも、同様の制度はありますか?
周知されていないだけで、実は制度は既にあるってことはよくあるので、問い合わせてみてはいかがでしょうか?
周知されていないといえば、昨日、毎年恒例の電話帳の配布があり、「今日びインターネットで必要な電話番号はすぐ調べられるし、個人情報のからみか電話帳も年々薄くなってるから踏み台としての役割も果たせない(昔は棚から物を取るのに背が届かないとき、タウンページとハローページを重ねてその上に載ってとっていた)んだから、配られても邪魔なだけだし資源の無駄です!」とクレームのために電話をかけたら、あっさり「では、今後、お客様のお宅にはお届けしないよう登録手続きいたします」と言われました。なんだ、そんな登録できるのか・・・・。
今日の記事、わたし的には新情報!なのですが、「何をいまさら」な話と思われた先生方には、失礼をお詫び申し上げます。ぜひ、もっと活用していただきたいと思います。
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