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授業のもっとも重要な「型」
授業の最初に、その時間の「めあて(目標)」を子どもたちに伝えていますか?
いわゆる「研究授業」のときは、ほとんどの先生が、やっているんですよね。
先日のぞいた授業も、その先生は
わらぐつの中の神様
今日の課題 おみつさんの人がらと気持ちを読み取ろう
って、黒板に書いてから、内容に入っていきました。
でも、ふだんの授業で、授業の最初に必ずテーマ名とあわせて「めあて」を書いて示していらっしゃる先生の割合は、かなり低いようです。
これが、ニューヨークの小学校の授業を視察したとき、気づいたことの一つでした。見学した二つの学校の先生方は皆、その時間に何を学ぶのか、何ができるようになってほしいかを書き、子どもたちに確認してから授業を始めていました。そして、授業の終わりには、「○○についてわかったか」「○○のやり方がわかったか」と、子どもたちに振り返らせていました。
実は、このはじめの1分、もしかしたら30秒程度のひと手間で、とても大きな差が出るのです。
「めあて」を示すことは、「今から何について話されるのか」「意識をどこに向けて見る(聞く)べきなのか」「何を覚えなければいけないか」「何を考えなければいけないか」などなどを、明確にすることでもあります。これは、学習の「はじめの一歩」です。
このプロセスは、注意散漫で集中力の持続が困難な子や、覚えることが苦手な子の負担を軽減できるでしょうし、もちろん、すべての子どもにとって、同じ1時間の授業でも、目的意識が明確になっているか否かで、モチベーションがだいぶ違うでしょう。
ある校長先生が新卒採用の先生に、歌舞伎役者の言葉を引いて「授業も“型”が大事なんだよ」と説いていらっしゃいました。「型破り」とは、基礎となる一定の「型」をきちんと身につけ、「型どおり」ができた上でできること、だと。
はじめに「めあて」を書いて伝える。最後に、「めあて」について振り返らせる。
これはきっと、授業の「型」のひとつでしょう。
毎日、毎時間、どの授業でも、ぜひ習慣にしてください。
だって、「めあて」を伝えることは、子どもたちに希望を語ることですもの。
「先生は、今日この時間、きみたちに、こんなことを学んでほしいんだよ。こんなことが、できるようになるよ」って。
もちろん、子どもたちにプレッシャーを与えたり、わからない子、できていない子を責めるためではありません。最後に「めあて」について振り返るのは、次の希望につなぐため。
もしも、目標に届かなかった子がいたとしたら、先生はその子を非難せず、原因を探って、自身の教え方を検証したり、支援の手立てを考えたりしてください。
授業のユニバーサルデザインは、「あたりまえのこと」「ちょっとしたこと」をきちんとやることから。このブログの原点にに返ってみました。
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