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クールダウンの掟 その3「複数で支援」
ああ、ずっと気になっていた「クールダウンの掟」シリーズ、前回は何と1月半も前。間があいてしまって申し訳ありません。どんな話だったか思い出すために、⇒こちらでまとめ読みしていただけるとありがたいです。
さて、今回は
イ 周囲の環境と支援体制を整える
掟その3 複数で支援
子どもがカーッとなってしまっている時、先生一人で対応しようとするのは、なかなか大変なことです。日頃から、学校全体で支援する体制が出来ているか、うまく機能しているか、こういうときに差が出るのかもしれません。
学校全体での支援体制、と言っても、「パニックのときには、こう対応する」と緊急時のマニュアルみたいに大げさでがちがちに考えることはないと、私は思っています。
子どもがパニックを起こすと、よそのクラスの男の先生に応援を頼み、「なんだ、なんだ、どうしたんだ」みたいな感じでガタイのいい先生とか校長先生や副校長先生が飛んでくる・・・・というような形での「複数支援」はご遠慮いただきたいところです。これでは掟その1の「小さく収める」からかけ離れてしまいますね。
より騒ぎを大きくしたり、「力」で収めるのは、避けたいのです。もちろん実際に先生が力ずくで押さえつけたり羽交い絞めにしたわけではなくても、子どもがどう感じるかの問題。子どもが威圧感を覚えたり、「怖そうな先生がきたから」暴れるのをやめた、という心的事実上の結果をもたらしたくない・・・・。
では、どのような「複数での支援」が望ましいでしょうか?
それは、さりげなく、スマートに、あっさりと。
泣いたり叫んだりしている子がいる。でも他の子どもたちもいる。人手がもう一人必要。そんな時、さっと役割分担を適切に出来るような。
あるいは、子どもが怒っているきっかけが先生自身にあったりした時、埒の明かないやりとりにならないよう、第3者がサッとバトンタッチしてクールダウンの相手を引き受けてくれるような。
「複数で支援」するのは、掟その1「小さく収める」と、掟その2「場を選ぶ」ことが目的です。関わる人が増えて騒ぎを大きくしては意味がありません。ですから、応援を呼ぶときも「さりげなさ」が必要です。
ウチの場合は、小さな場に複数の同僚がいて、それぞれに目が届きますから、だいたいそれぞれの目の動きだけで連携しています。
つい先ほども、算数の問題ができなくてカッカしてしまった子が、ノートを鉛筆でぐちゃぐちゃにし、机を蹴飛ばし「もう帰る!」と、出て行こうとしました。・・・・ここで慌てて追いかけるわけには行かない私。その子以前に本当に帰ってしまったことがあるのです。そのとき、今度から勝手に帰らないと約束したから、きっと帰らないはず。きっと自分でクールダウンして戻ってくると信じて、動かず待つ私。でも、内心帰られたらマズイという気持ちも当然あるわけで・・・・・同僚の顔を見る。その同僚の位置からは、出口にいるその子の姿が見えるはず。
同僚、その子の姿を目で追い、口元が一瞬ニヤッとしただけで、また仕事を続けています。その様子を見て、私も確信もって「待つ」方針を継続。
「帰る!」と脅しても誰も追いかけてこない・・・・その子はしばらく出口でぐずぐずしていましたが、まもなく呼吸を整えて戻ってきました。
別の例も挙げましょう。以前、不安定な状態が続いていてパニックを頻発していた子がいました。その子が、カーッとなって暴れ始めてしまったとき、同僚たちはさりげな~くノートパソコンやはさみ等、壊れたら困るものや危険なものを片付け、さりげな~く他の子どもたちを離し、何事もないかのように動じない顔で対応してくれていました。
こういった対応は、事前にお願いしておくこともありますが、あうんの呼吸でやってくれているということが多いです。
「支援体制を整える」というのは、マニュアル云々よりも、全員が共通理解していることに尽きるのではないでしょうか。
とはいえ、学校では「目と目で通じる」と言うわけには行かない場面の方がふつうですよね。
そこで、以前ある先生の講演でお聞きしたアイデアをご紹介します。
何か合図となるもの(本とかファイルとか)を決めておいて、子どもがパニックになってしまって応援がほしい時には、しっかりした子に「○○さん、これを職員室の先生に届けてきて」と、笑顔で平静を装って頼むのだそうです。職員室でそれを受け取る先生も「ありがとう」と普通に受け取るのですが、実はそれが「至急、誰かきてください」の合図。これを全校の先生が周知していて、もちろん受け取った先生も、通りがかりを装ってさりげなく駆けつける、というわけです。
これを聞いたときは、すっかり感心してしまったのですが、いかがでしょうか?
もちろん、「これが正解」というのがあるのではなく、それぞれの条件に合わせて考えていただければと思います。
結局「パニック」という言葉を裂けて書くのは難しかったなぁ。。。
さて、久々の、ほんと久々の、本筋に戻りました。
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