診断基準の本来の目的は・・・ ~はるえもん試験勉強中 3|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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診断基準の本来の目的は・・・ ~はるえもん試験勉強中 3

続きまして、ADHDについても文科省定義(2003)を押さえておきましょう。

ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣合いな注意力、及び/または衝動性、他動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

よく、不注意優勢型、多動性-衝動性優勢型、混合型という3タイプに分けられるとされますね。

ADHD(attention-deficit/hyperactivity disorder:注意欠陥/多動性障害)というのは、DSM-Ⅳ-TRによる診断用語です。Ⅲの時点ではADD(注意欠陥障害 Attention Deficit Disorder)が、Ⅲ‐RでADHDとなりADDという診断名は交代したり消えたりと紆余曲折を経て、現在のⅣ‐TRでは「不注意優勢型のADHD」がかつてのADDに重なると見てよさそうです。     ICD-10では多動性障害(hyperkinetic disorders)と少々違う立場をとるのは、DSM-Ⅲが多動のベースが注意障害にあるという理論を採用したのに対し、慎重な立場をとったから。

と、以上テキストの受け売りですが、とにかく、定義や診断名、診断基準というものは、時代とともに変化していくもので、このADHDの概念も、間違いなく今後また変わると思われます。

つぎに、高機能自閉症についての同じく文部科学省定義(2003)を見てみます。

高機能自閉症とは、3歳ぐらいまでに発症し、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的機能の発達の遅れを伴わないものをいう。また、自閉症は中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

この文言で高機能自閉症や自閉症を言い表しきれているとは思えないけれど、とにかくこれが教育定義。で、このうち②の言葉の遅れが目立たないものをアスペルガー症候群だと。

ちなみに、医学的定義としては、DSMにもICDにも、「高機能自閉症」という定義はなく、あくまでも知的障害のない「自閉性障害」「自閉症」ということになります。アスペルガーの診断基準はあるけど、妥当性について議論が残るとのこと(これもテキストの受け売り)

ただ、私たちが気をつけなければいけないのは、DSMやICDというのは、「統計」を目的として編纂されたものであるということ。つまり、これらに示されている「診断基準」は、「分類」するのに都合がよいように定義付けられているのです。そして、法律や行政の文書が定義づけるのは、「誰がその対象となるのか」を明確にして、振り分けるためです。(線引きをしないと予算も組めない。発達障害者支援法に知的障害が含まれないのも、そういう微妙な事情があると思われます)

臨床家や現場の人間が、こうした「診断名」や「定義」に固執したり振り回されてしまうようでは、診断はただのレッテル貼りに終わってしまいます。そうではなく、「その子」を見て、「その子の特性」を理解することが、何より大切なこと。

もちろん、「その子」を正しく知るために、「障害」を正しく理解することも不可欠ですね。

試験まで1週間。間に合うのか、私?

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