動け!筋肉 意のままに|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

お問い合わせ

電話番号

電話番号

ブログブログ

新しい記事

動け!筋肉 意のままに

運動機能編に入る前に、「運動」という言葉の意味を確認しておきたいと思います。

ここでお話しする「運動」というのは、sport(スポーツ、運動競技)のことではなく、 生理学、心理学的な意味での運動 motor のことです。運動神経とか、運動筋肉とか。

平たく言えば、脳が筋肉に「こう動け!」と命令を出し、その命令が神経を伝って、体のいろんな部位を動かし「動作」を行わせる、という機能ですね。

ですから、走る、跳ぶ、投げるなどはもちろんのこと、絵を描く時も、料理をする時も、ピアノを弾く時も、あらゆる動作に「運動機能」は必要になります。

運動機能には大きく「粗大運動」と「微細運動」の二つに分かれます。

粗大運動は、腕や脚など、大きな筋肉を使う運動。

微細運動は、指先など小さな筋肉を使う運動。

粗大運動機能に弱さを抱える子は、当然ながら、スポーツが苦手です。体操や縄跳び、踊りやお芝居なんかも、得意ではないかもしれません。

もちろん、これまで様々な機能についてお話してきたので既にお気づきかと思いますが、運動機能もいろいろな機能と関連します。スポーツやダンスに必要なのは、運動機能だけでなく、自分がこれから行う動作をイメージする注意機能も、教えられた動作を覚える短期記憶も、必要な時に思い出せる長期記憶機能も必要です。(こうした関連は、微細運動の場合でも同じことが言えますね)

Mel Levine先生は著作で、粗大運動機能が苦手な子が、スポーツの場面で自尊心を傷つけないような配慮が必要だと指摘しています。みんなの前で恥をかかさないこと、必要な場合は個人練習をしてあげること、高度な運動機能を必要としないスポーツもあることを教えてあげること(私が陸上競技に救われたのはコレですね)、選手として活躍できない子にはマネージャーなどプレー以外でその子が能力を発揮できる場を与えてあげること、・・・・などなど。

体育に力を入れている小学校で、「どうしても逆上がりができないとか、長縄が跳べない子には、どのように指導しているのですか?」と聞いてみました。

一連の動作をスモールステップにして教えてあげる、一人ひとりに達成可能な目標設定をする、モデルを示してあげる、上手に教えられること一緒に跳んでもらったり背中をぽんと押してもらったりしてタイミングを覚えさせる・・・・などなど

な~んだ! 机上の学習の「支援」と考え方は全く同じですね!

私もそんなふうに教えてもらっていたら、逆上がりできたのかしら?

運動機能が苦手=できない ということではないのです。できるようになるために、人より多くの練習が必要ということ。でも、やってみてもできない、練習してもできるようにならない・・・・そうすると、やる気がなくなる、自信がなくなる。「どうせ」の諦めにとらわれて、「初めからやらない」に至ってしまう。そうすれば、ますますできないの悪循環。

だからこそ必要な支援は、より効率的、効果的にできるようになる方法を見つけてあげることなんですね。その子に合った目標、手立てで達成感を持てるように。

というわけで、運動機能編なのですが、体育の授業に限らず、実は日常生活のさまざまな場面にかかわってくるものです。次回はそのあたりを補足したいと思います。

年内にもう1回だけ1位に返り咲いてみたいなぁなんて、いらぬ欲が湧いてきている今日この頃ですが、更新頻度低いくせにおこがましいかな。。。。無理せずがんばります。応援クリックよろしくお願いします♪

↓↓↓

※参考文献 "The Mind That’s Mine"  Dr.Mel Levine

★この記事を面白いと思った方、当ブログを応援してくださる方は、

にほんブログ村 教育ブログへ本日も1クリックをよろしくお願いします。

【にほんブログ村 教育ブログ】へリンクし、人気ランキングの1票となります。

アーカイブ

アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ