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「加配」は悩ましい。
昨日、読売新聞の1面に、来年度から発達障害の児童・生徒支援のための専門の教員を増員する方針を文科省が打ち出したと記事が出ていました。特別支援教育が始まるにあたって「人も付けない金も出さない」と学校現場からは文句ばかりあがっていましたので、まぁ、いいニュースではあるでしょう。しかし、「専門の教員」・・・・そんなにいるんでしょうか? (これは、加配の教員という意味なのかなぁ? それとも、コーディネーターなどが担えるそれなりに勉強した先生ということなのかなぁ?)
このニュースに無理やり関連付けて、今日は「加配」について考えてみます。
たしかに、30人、40人いる通常学級に発達障害の子どもが在籍する場合、人手が欲しいのはよく分かるのですが、人がつけばいいってものでもないなぁ、と思わされる場面にしばしば出会います。
私の知る限り、教育委員会が必要に応じて確実に加配の教員をつけてくれる、などという地域は恐らく稀で、たいがいは親御さんの付き添いを条件にしているケースや、親御さんが自信で探してきたボランティアさんやアルバイトの人をつけているとか、先生方が授業の空き時間をやりくりしてついている、という例が多いでしょうか。
予算や体制の問題もあるので、簡単に言えることではないのですが、私はやっぱり、学校への付き添いは、本人にとってよほど「母親が一緒でなければならない」事情がない限りは、「学校では対応できないので親御さん付き添ってくださいね」で済ませてしまうのは、良くないと思います。やっぱり教室もひとつの社会的な場ですし、親御さんが客観的な視点を持って動くのは難しいですから・・・・。柔軟に人を配置できる体制作りが、特別支援教育の最大の課題でしょうね。
幸いにして、加配の先生やボランティアの付き添いをつけることができた場合にも、担任の先生らとよく打ち合わせをして、どういう場合にどう動くべきかある程度シミュレーションしておかなければ、なかなか上手くいかないでしょう。
たとえばある通常級で、支援の必要なAくんがいて、Aくんに加配の先生をつけるとします。
ちょっとまずいなぁと思うのは、
Aくん担当が「Aくんが立ち歩いてしまったときの追っかけ係」に終始してしまっていたり、
「お世話係」になりすぎて、Aくんが自分で判断し行動する機会がもてなかったり、
全体の授業には全く関われず、Aくんとの「二人だけの世界」を作り出してしまっていたり、
・・・・。
こういうのは、授業を滞りなく行うという目的だけならラクチンかもしれませんが、Aくんに視点を置けば、ともすればAくん自身の学習への参加や自立を阻む危険性がありますよね。
人手が欲しい、加配をつけて欲しいという希望は必然ですが、本当に効果的につけるのは、やってみると実は難しいものです。関わる人が複数になることで、人によって対応が異なったりして、当のAくんが混乱してしまったりする可能性もあります。
Aくん担当は、Aくんの発達段階やそのときの状況など様々な条件に応じて、通訳になったり、黒衣やプロンプター(お芝居で役者が台詞を忘れたときなどに陰でそっとフォローする人)になったり、時には手を出さず見守るだけの存在になったりしなければなりません。担任の先生は、そのことをよく理解したうえで、「おまかせ」するのではなく、あくまでも補助なしで授業に参加できることを最終的な目標(すぐにできるくらいなら加配は必要ありません)として念頭に置いた上でのAくんとの関わりや、加配の先生との連携をはかる必要があります。
能書きが長くなりました。要するに、人がついたらついたで、次の悩みが出てくるということです。具体策は、次回以降に続けたいと思います。
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