健康と安全あってこその|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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健康と安全あってこその

首相による休校要請が出た翌日2月26日以降、私たちは4回も緊急ミーティングを開き、新型コロナ対策を「注意喚起の段階」から「休業要請が出たら」までの4つのフェーズを想定し、対応を話し合ってきました。目標は「①事業所関係者(スタッフ・生徒)から感染者を出さない ②全ての生徒さんに、今の状況下で最大限できうる学習支援・発達支援を提供する ③会社の経営、ひいては職員のみなさんの生活への経済的影響を最小限にする」。全く未知の経験、先行きの見えない状況で、アンダンテとアンダンテプリモはどうすべきなのか。

子どもたちにとっては、学校も習い事もお休みになり、「行く場所」「学ぶ場所」が制限されているような今だからこそ、アンダンテはギリギリまでいつも通りの授業・支援を提供したい。でも万が一、事業所内で感染者が出たら、休業を余儀なくされる。なので、感染状況の広がりを見ながら、事業所内での可能な限りの感染防止対策から、いずれオンラインでの授業等に切り替えようと考え、ウェブカメラをスタッフ分購入し、ZOOMの使い方をスタッフらに伝え、「いざとなったら」に備えてきました。

ただ、やはり壁になったのが「役所」です。

アンダンテを通常利用されている生徒さんは、特にそこは問題ないのですが、「杉並区学齢期発達支援事業」を使ってアンダンテに通っている方、また、「児童発達支援事業」であるアンダンテプリモの利用者さんに関しては、みなさまの税金による公的なサービスになりますので区や都の方針に従わなくてはなりません。

「オンラインでのサービス提供も通常の利用と同等に報酬を請求していいんですよね」という”質問”という名の要望を、杉並区や東京都に、つどつど出していたのです。こちらもむやみに要求しているのではなく、東京都から次々と送られてくる文書を読み込んだうえでのことです。かつて災害時に通常のサービスができなかったとき、事業所以外での場所でできる限りの支援を提供した場合を特例として認めていたという厚労省の参考資料や都からの連絡通知を根拠に問い合わせを重ねました。

基本的に、学校が休業になっても放デイ・児童発達支援は通常通り開所しなさいというのが都の要請。そして、電話等での支援を通常の支援と同等に扱うのは、小学生以上が対象の「放デイのみ」「春休み前まで」で、就学前児の児童発達支援は対象ではないというのが都の方針。

小池百合子都知事が不要不急の外出自粛要請を記者会見で発表したその直後にもFAXしましたが、「知事会見は休業要請ではない。障害児支援は必要な支援であって不要不急の外出にはあたらない」というのが都の担当部署からの回答。感染リスクを考慮して休業にすれば、それは自主休業である、と。

自主休業、ということは、当然何の補償ももないわけで。

もちろん、児童発達支援事業所もいろいろで、重度の障害のあるお子さんの療育や、終日預かりを実施しているような事業所もたくさんありますから、そういう場が長期間休業したら、困るご家庭があるのももちろん理解しています。ただ、十把一絡げに足並みを揃えさせることは、感染拡大防止という観点からはどうなんだろう?という疑問もわきます。

それに、私たちは休業したいわけではなくて、感染を心配しながら通所するよりも、自宅に居ながらでも授業や相談ができるよう選択肢を増やしたいだけなのに。

・・・と思っていたら、昨夜、東京都から「通常通り開所だが、明日からコロナ不安でお休みの利用者には電話等の支援でも基本報酬の対象」の旨のメールが。

ここが”落としどころ”なんだな、と。

必要な子を受け入れるために、いつも通り開所して。でも、感染防止のためにお休みする利用者の分は、別の形でもサービス提供すれば、一部ながらお金は出すから。・・・これなら、利用者も選択肢ができるし、私たち事業者もとりあえず今後の資金繰りに青ざめなくて済む。

本当は、年度の最後だし、特に年長さんはこれで最終回だし、しっかりとけじめの回として実施したいという思いは、どのスタッフもあるのだけど、でもそれも、一人一人の健康と安全が大前提です。

アンダンテプリモは、私たちにできる最大限の感染防止対策をして、お子さんの来所をお待ちしています。でも、決して無理はなさらないでください。このウイルスに一番有効なのは、「人との接触を断つ」ことですから。

月並みですが、みなさんとともに、この難局を乗り切りましょう。

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