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メモ=書く? 撮る? しゃべる?

最近たまたま、メモに関する悩みを保護者の方からお聞きする機会が続きました。

Aくんは、覚えておくことに弱さがあるのですが、高学年、そして中学生と、年齢が上がるにつれて、テストの範囲や宿題の提出期限など、メモを取ることの重要性が増しているけれど、LDの特性もあるAくんは、そもそも字を書くこと自体が負担です。どうすれば…?というお話。

もう一人、Bちゃんは、連絡帳はいつも、途中までしか書かずに帰ってくるので、持ち物や宿題の確認ができなくて困る。「明日学校に○○を持っていくように言われた」とお母さんに伝えるも、それを何の時間に何のために使うのかを尋ねると「わからない」というので、どのようなものを準備すればよいか「???」になることも、しばしばだとのこと。

Aくんは記憶と書字に困難があるので、本人もメモを取る必要性は認識しているものの、はやくきれいに書くことができません。Bちゃんは、注意集中の維持や話を聞くことの苦手さから、困ったことが起きているようです。

では、A君には字をきれいに書く練習をさせる、Bちゃんには、きちんと最後まで連絡帳を書くよう指導することが必要!・・・・という支援だけすればよいでしょうか?

もちろん、特性による困難を改善させるための介入は重要なのですが、大変な努力と負担を本人に負わせる割には、劇的な成果をあげられるわけではなく、困っている状態を全て解決するところまでは至りません。当然、環境調整というアプローチが重要になります。

UDL的に、「障害は人ではなく環境にある」という視点に立つと、ここで変わらなければいけないのは、「連絡帳に書く以外に情報にアクセスする手段がない」という状況で、これを改善して「他の方法でも記録や確認が可能にするには?」と考えることができます。

そこでこの写真なんですが

昨年訪問した米国の高校では、生徒たちが次々と宿題をスマートフォンのカメラでカシャッと撮って教室を出て行っていました。当たり前のように。

私もよくやります。お店で商品名やサイズをメモする代わりに、商品プレートをカシャッと撮ったり。

あるいは、最近の携帯やPCは、音声入力の性能もずいぶん向上しました。私は最近、買い物メモやToDoリストなどを携帯に「しゃべって」入力しています。「トイレットペーパー 改行 牛乳 改行 犬のえさ」とか「郵便局で書留を出す マル」とか言うと、相当な確率で一発変換してくれます。

こういう便利な機能を、今や私たちは「ふつうに」使いこなす時代になっていて、もちろん、書くことや覚えることに困難のある子たちも、こういうモノの利用でずいぶん楽になるんじゃないかと思います。

ところが、困っている子どもたちの困難解消を目的に使用を提案すると、「特別扱いを認めることはできない」とか、「一人だけそういうものを使うと、他の子からずるいと文句が出る」とか「いじめの対象になりかねない」とか、そういう話の展開になりがちなのが、学校というところ。

仮にそれが何か問題を起こす可能性があるというのなら、その問題を解消するために努力すべきは環境(ここでは学校)の側であって、サポートツールの使用を認めずに子どもたちに困難を強い続ける理由にはならないと思うのですが。

あ。

「ならないと思う」ではなく、これからは「合理的配慮」は義務になりますので、「なりません」と書く時代になりますね。

そういえば昔は、車椅子さえ学校は「受け入れられない!」と平然と言っていたものでした。今ではあり得ない話ですが。

メモを取る。書くことが適している人はノートや連絡帳で。写真や音声入力での記録が適している人、適している場面では、それで。

要は「柔軟に」ということで、すなわちUDLの最重要キーワードです。

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息子を保育園に迎えに行くと、帰るのが「やだー」と号泣される。保育園が楽しいのはありがたいことだけど、その大げさなパフォーマンスはやめてほしい。そのうちママ通報されるかも(汗)

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