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WHY UDL? ~LD学会で自主シンポジウムを開催しました

今年もLD学会に行ってきました。お天気に恵まれた連休、横浜を会場に開かれた第22回大会では、おととし、昨年に続いて、「UDL(学びのユニバーサルデザイン)を授業に活かす」というテーマで自主シンポジウムを企画・開催いたしました。

おかげさまで今回は満場となりで、たくさんの人とUDLの話を共有することができました。

杉並区立桃井第三小学校の浦野先生、大正大学の川俣先生からは小学校での実践からの報告、バーンズさんからは、米国の教育の流れの中でのUDLの位置づけをお話しいただき、さらに、福岡教育大学教職大学院の納富先生には、奥の深い討論を投げかけていただきました。また、わずかな時間ながらも、会場からのご意見やご質問もいただき、企画者としては充実感をたっぷりで会を終えることができました。

そもそも、個別学習指導やグループソーシャルスキル指導を提供している民間機関である、アンダンテ西荻教育研究所の私がなぜ、UDLだ、学びのユニバーサルデザインだと、学校の先生に向けてメッセージを送り続けているのか・・・・。あらためて、自分は何のために視察や翻訳など本業外の活動にエネルギーを割いているのか、考えてみました。

その答えは、案外難しいことではなさそうです。

「多様な」子どもたち、「多様な」学びを支えたいと、私もスタッフも日々試行錯誤を重ねていますが、学校が一人一人異なる学びを支えられる場になっていかない限り、結局のところ、彼らは「学校に合わせるために特別な試練を求められる」存在であり続けてしまいます。

私は、アンダンテが単なる居場所や心の拠り所ではなく、一人一人に学ぶ力と自信をつける場としての役割を果たしたいと思っています。そのためには現場の先生方と協力し、多様な子どもたち、多様な学びについて理解を深め合いながら、学校が変わっていくことを後押ししていくのが、一番有効かつ不可欠なのです。

ところで、今回の学会でもまだ、UD・UDLの言葉の定義がかなり誤解や混乱が見られました。たとえば「黒板の周りをすっきりと」「指示は明確に」等々を「UDL」として示している発表を複数出会いました。それらは確かに、先生から見た授業の工夫の一つであるとは思いますが、UDLがめざすものとはちょっと違うような気がします。

UDLは、脳も学びも多様で皆異なることを前提に、すべての人に学習の機会を提供できるよう、カリキュラムを柔軟にし、障害の有無だけにとどまらず、一人一人に必要な手だて(オプション)を用意するための指針です。

UDLに示されている、具体的なオプションの例というのは、有能な先生なら「前からやっている」ような工夫と大きく変わるものではありませんが、UDLの考え方を通して学習環境の整備や授業づくりをしていけば、教室で子どもたちが学習する光景は大きく変わるはずです。なぜなら、UDLは「授業に子どもを合わせさせる」のではなく、多様な子どもたちに合わせて「授業を変えていく」ものだからです。

「学びにくさのある子」など、柔らかな表現にしてみたところで、問題を子どもに見出している視点には変わりないのかもしれません。

この授業は、この教材は、どういう子にとって学びにくいのか、それをオプションや代替手段などを組み合わせて、どう解決していくか、それを考えるのがこれからの教師・教育関係者の仕事であり、その視点を提供してくれるのがUDL。

今回のシンポジウムをきっかけに、関心を持ってくださった方、理解を深めてくださった方が、一人でも多くいることを願っています。

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UDLのウェブサイト、リニューアルにともないURLを変更いたしました。

http://www.andante-nishiogi.com/udl/

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