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教員は“例外”が苦手な人種???~日米間の、この違いはどこからくるのか・・・

ニューヨークの話を進める前に、ここでいったん、日本の話に戻したいと思います。

先日、私の生徒さん(よく登場してもらってます)の中学生の男の子ですが、

注意力・集中力が弱点、時間やモノの管理が不得手なので、しょっちゅうプリントをなくしたりノートを忘れたり。だから数学のノートに理科の授業のことが書いてたり。

そもそも、書字にも困難があるので、ノートをとること自体が負担ではあるのですが

ノートの提出が「評価」の対象になっているので、苦労していました。

そんな彼が、親御さんと相談して、1学期の終わりごろからルーズリーフを使い始めました。

じゃじゃんっ。

Photo

これなら、1冊のファイルに全てのノートをまとめられる上、プリントも同じファイルに綴じたルーズリーフのクリアポケットに保管して管理がぐんと楽になったようです。だって、毎日これ1冊を持ち歩けばよいのですから。

教科ごとに色分けしてインデックスで整理し、Photo_2

ノートを提出するときは、インデックスと色を揃えたリングで綴じて先生に出すそうです。

Photo_3

いやぁ、すばらしい。これで、ノート忘れがなくなり、しかも、板書を写してくるようになりました。それに、いままでカバンに突っ込んだ瞬間にゴミと化していたプリントが、今回はテスト前にすべて揃っている! あぁ、成長ぶりに涙が出そう。

まさしく自己を理解し、自ら工夫してカバーすることで、躓きを克服したのですから

「えらい!」「かしこい!」「すばらしい!」と、私も諸手を挙げてほめたのですが

「それがさぁ・・・」と、彼は不満顔。

聞けば、テスト前のノート提出時に数学の先生と社会の先生が

「ルーズリーフは認めない」

「プリントはノートに糊で貼るように」

ということで、再度ノートに書きなおして提出しろと言われたというのです。

「なんで~っ???」

「先生がそう言ったからって。ノートじゃないと先生が管理できないんだってさ」

わからない・・・・。

先生は一体何を「評価」したいのでしょう?

評価すべきは、生徒が、「何を、どれだけ、学べているか」であって

「先生の指示に従ったか」どうかではないですよね?

(ちなみに、私は腹立ち紛れに「そんなん無視しちゃえ!」と煽りましたが、彼は書き直しをしてノートで再提出したそうです。その時間があったらテスト勉強で数学の問題いくつ解けたことか・・・・!)

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後日、巡回相談先の小学校の校長先生(この校長先生は、自ら特別支援教育士SVの資格を持っていらっしゃるような方)に、このエピソードを話したところ

「頭カタイよね」と苦笑しながら、

“そうなりがちな教師の思考パターン”について説明してくれました。

「ひとつには、“例外を認めると他の生徒や保護者に説明がつかない”という思い込み。

もうひとつは、“指示したとおりにやらせないと気が済まない”教師の傾向」

だそうです。

生きる力って、自ら考え、自ら学ぶ力だと思うのだけどな。。。

アメリカで取材して、帰ってきて日本の学校を見ると、「逆だなぁ」と感じることがしばしばあります。

たとえば、巡回相談なんかで見てると「あの子、気乗りしない授業だと教室出て行っちゃうんですよねぇ」とか、不登校の子について「来ないものはどうしようもないですし・・・・」とか、そんな言葉がしゃらっと先生の口から出てきますが、

アメリカでは、そんな“例外”こそ、あり得ないようです。

学び方は一人ひとり違うという大前提があるけれど、“学べない”という例外は認めない。つまりドロップアウトさせないための、個別化であったり、ユニバーサルデザインであったり。

だけど、日本の先生は、個々に違う方法を認めると授業が崩壊するのではないかと懸念して一斉指導に執着し、「ドロップアウトするのは子どもの問題」と捉えてしまっているような気がします。授業のユニバーサルデザインでさえも、「みんなにわかる一つの方法」があると誤解されがちですが、あり得ません。UDとは、多様な方法を認め、可能にすることに他ならないからです。

さて、対比のために身近なエピソードを持ち出しましたが、次回はまたNYの話に戻って続けたいと思います。

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