ニューヨークで見た授業2~ハンズオン+個々のオプション|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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ニューヨークで見た授業2~ハンズオン+個々のオプション

前記事の続きです。

こちらは後半から見ることになってしまった、3年生の「岩、石、砂、土、粘土」についての学習。 ふるいにかけて石と砂を分類する実験や、大きさ、色、形、質感などなどについて観察を通じて、同質の物質を科学者はどのように分類するのか?考えます。

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Ledesma先生は、子どもたちの席をまわって、助言したり質問に答えたりする一方で、ルーブリック(評価基準)をもとにしたチェックシートを手に、子どもたちの到達度をさりげなくチェックして回ります。これが評価の基になるのですね。

記録が終わったところで、ラグのところに集合して、学習した内容を全員でシェアする時間です。

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この後教室に帰るのですが、この時も面白かったです。「赤を着ている子、並んで」「次、グリーンを着ている子」・・・・こんな具合に、みんなが一斉に動いて騒がしくなるのを防ぐと同時に、子どもたちも先生の話に「注意を向ける」習慣づけの訓練に自然となっているのですね。

ここまで、授業の大まかな流れを書きましたが、

Ledesma先生は、こうしたなかに個々の学びを支援するための配慮をていねいに考えて実施しているのが、SAを受講した先生ならではです。

たとえば、観察記録を書く際にも

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文字を書くのが苦手だけれど、絵の得意な彼には、絵が中心のタイプの記録用紙を用意。

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新しく習った言葉もこのよううにして確認しやすいようになっています。

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今、先生が気になっている、ある男子は、グループ作業のとき自分の思うようにいかないと怒ったり泣いたりしてしまうそうです。そこで、現在親御さんや担任と連絡を取り合って、その背景を探っているところです。場合によっては、「グループではなく個人で作業をしても良い」というアコモデーション(配慮、代替手段)も視野に入れているとのこと。

また、別の子は、よく探さないうちから「先生ノートがありません!」などと言うことが多いとのことで、これも担任と相談したうえで、フォルダーに、入れる場所と対応させて「プリント」「ノート」などとシールを貼っておくことも考えているそうです。

昨年は、実行機能が弱く、文章を書くのが苦手な、ある子のフォルダーにこんなカードを貼って支援。

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当時はこんな調子↓だったのが

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今年はだいぶ成長して、このカードは貼らなくて済んでいるそうですよ。

どこの国にも、こういう子たちがいるってことですね。

ところで、実験や観察が中心の、ハンズオン授業で、子どもたちに指示が通らなくなることはないのでしょうか?

「教師って、自分が子どもたちをコントロールしきれなくなることに不安を感じるものだけど、やっぱり子どもたちはきっとできると信じるべき。もちろん、チャイムや拍手の合図でどうするかという、新学期から何度も何度も繰り返し教えて、しっかりと授業の“ルール”作をする必要はあるけれど」

うーん。でもそれだけじゃないな。

やっぱり、活動そのものに魅力があることが、何よりも重大なんだと、Ledesma先生の授業を見ていて再認識しました。

だって、いくらルールを決めたって、「楽しいこと・面白いこと」が待っていなければ、子どもたちはそんなルール守ろうとは思わないはず。

何かを「やらせる」のではなく、「やりたい!」というモチベーションを持たせる教材や課題がいかに大切か。

「理科って楽しい!」と思わせる授業ありき。その素になるのは、徹底した教材研究ですよね。

どんな教科にも言えること。

自分の授業は、ここまで子どもたちをワクワクさせられているかと振り返って・・・・反省!

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今日、巡回相談でも、抜群にうまい家庭科の授業を見ました。写真撮りたかったなぁ!

次回はNYC別の公立小学校の様子を、教室の様子に注目してお伝えします。

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