「愛情不足」って言わないで。(その1)|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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「愛情不足」って言わないで。(その1)

学校の先生方とお話していて、しばしば出てくる言葉で、ちょっとだけ、首を傾げてしまうものがいくつかあります。

あいまいな言葉は便利な反面、安易にその一言で片付けてしまいがちな危険があります。だから一度ここで、聞き流さずあえて立ち止まってみたいと思います。

そんなことばの代表格の一つが


「愛情不足」

たしかに暴力や養育放棄などの被虐待児や施設で育った子など、深刻な問題もあります。

が、先生方からきく「(親の)愛情不足」の子というのは、よくよく聞いてみると、どうもそういうケースとはちょっと違うことが多いみたいです。私が相談を受けた親御さん方のなかにも、教師や保育士、カウンセラーなどに「愛情不足といわれた」とおっしゃる方が時々いらっしゃいます。

たとえば年齢相応よりも甘えん坊で過剰にベタベタしたがるとか、かまってほしいがゆえの問題行動が頻繁だとか、落ち着きがないとかわがままだとか・・・・そういうような状態に、

たとえばシングルマザー家庭である、共働きで両親とも帰りが遅い、最近下の子が生まれたばかり、親御さんが病気を抱えている、・・・・などなどの背景があろうものなら、

ついつい因果関係のように結び付けたくなってしまうのでしょう。

で、

「愛情不足だと思うんですよね~」

という言葉になってしまうようです。

以前、家裁調査官の藤川洋子さんの講演会で、こんな事例に触れられていました。(記憶力悪いので、大まかですが)

子どもの問題行動についてカウンセラーに相談したところ、「愛情不足」と言われ、以後両親は子どもが問題を起こすたびに、抱きしめたり、ものを買ってあげたりと、もっと「愛情をかける」努力を続けた。その結果子どもの問題は次第にエスカレート。やがては触法行為を繰り返すように・・・・。後に、その子は発達障害であることがわかったというケースでしたが、

背筋が寒くなりました。子育てや教育の分野で仕事をする人間が、気安く「愛情不足」などという表現は使うべきでないと、強く感じさせられたお話でした。

そもそも子どもを生んだことのない私は、個々に大変な事情を抱えながらもお子さんを一生懸命育てていらっしゃるという、それだけで親御さんを尊敬しますし羨ましいと心から思っています。

ここでは、問題行動の背景が、発達障害か家庭の問題か、という議論をしたいのではありません。良かれと思って「愛情不足ですよ」と親御さんに言っても、あるいは親御さんに面と向かって言うことはないにしろ、先生方が「愛情不足」の一言でくくてしまっても、事態が好転するわけではないのでは・・・・? 先生方の口から「愛情不足」という言葉が出るたびに、そんな疑問がわいてしまうことを、お伝えしたかったのでした。

この話、次回にもう少し続けさせてください。

※すみません。仕事その他で色々と立て込んでいて、いただいたコメントやメールにお返事できない日が続いています。「すべて読んでます! ありがとうございます!」と、この場を借りてお伝えするとともに、失礼をお詫び申し上げます。

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