親が「しつけ」を怠ったわけではない~たとえばADHDっ子の場合~|アンダンテ西荻教育研究所・アンダンテプリモ

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親が「しつけ」を怠ったわけではない~たとえばADHDっ子の場合~

(「親のせいではない」シリーズは、こちらから順に続いています。)

「多動」と一口に言っても、いろいろで、たとえば、いま何をすべき時間か理解していなくてフラフラ歩き回ってしまったり、興味のあるものを見つけると意識のスイッチが入ってしまって形振りかまわずそれに突進していってしまったりする自閉っ子たちに対し、とにかくじっとしていられなくてそわそわしてしまう、段取りを考えず衝動的に行動してしまうADHDっ子たち・・・・。そのあたりの認識がまだ浅かった頃は、誤診というか、「多動=ADHD」と判断されたり、もっと前なら、なんでもかんでも「LD」という言葉で片付けられていたようです。

それはさておき、こういう子たちは、ともすれば「なんてしつけのなっていない子なんだ!」という印象を与えてしまいがちです。

だって、じっとしているべきときに、じっとしていられない。静かにしなければいけないときに、黙っていられない。触ってはいけないものを触る(さらに壊す)。話をちゃんと聞かないでぼーっとしている(たぶん本人は頭の中が大忙し!)・・・・。

私の甥っ子(2さい)も、じっとしていません。電車、自動車(特にバス、消防車)大好きの彼は、東京に遊びに来るともう大興奮! うちは国道沿いなので、家から出るときは冷や冷やもので、つないでいる手がじっとり汗ばむほど強く握り締めてしまいます。姪っ子(4さい)が2歳だった頃、事情があって2ヶ月近く預かったことがあります。彼女もそれはそれはちょこまか動き回っていました。家中の引き出しという引き出しを荒らし、私のアクセサリーケースをかきまわしてビーズのネックレスを引きちぎり、私の下着をかぶって走り回り(転んで泣き)、私の化粧を真似て顔中をスティック糊でべたべたにしてました。アメリカでは「terrible two」という言葉があるそうですが、まさに2歳児恐るべし!

けれども、姪っ子は3歳4歳と年齢があがるにつれ落ち着き、指示が通るようになって連れ歩くのもずいぶんラクになりました。甥っ子は、まだ目を離せませんが、しだいに分別がついてくるのだろうなぁ、たぶん今が一番大変な時期だなぁと予測できます。

ところが、5歳6歳と歳を重ねても、まだその傾向が残ってしまう子ADHDっ子や、一部の自閉っ子たち。彼らとほんの1~2時間を過ごす私たちでさえ、すごいエネルギー消耗感を覚えるのですから、毎日「子育て」としてかかわる親御さんの負担は、いかばかりか。。。

加えて、第三者の「なんてしつけのなってない子」という視線や言葉や、あるいはそう思われているのではないかというプレッシャーで、親は焦ったり、神経質になったりしがちです。しつけを怠っているどころか、「他の子のように、ちゃんとさせなきゃ」という焦りから、人一倍がんばってしまうことも少なくありません。それが、過剰な叱責や厳しい態度につながってしまうこともあるでしょう。追い詰められた親は、子どもを追い詰めてしまいかねません。子どもは悪い子なのではないし、ふざけているわけでもないのです。何をしたらいいのか(してはいけないのか)わからない、体が動いてしまうのを止められない・・・・そんな子たちの「しつけ」や「子育て」を、親だけで抱え込むのは、あまりにも大変すぎます。

連絡帳に、「忘れ物が多い」「持ち物の整理整頓ができない」「おしゃべりが止まらない」といった教室での様子を書き並べられるだけでは、親御さんの負担はエンドレスになってしまいますね。

その子にいま可能な課題を見極めたうえで(欲張らず、1つ2つでじゅうぶん)、先生が工夫できることや家庭と学校で協力し合えることを模索してくれたら、親御さんはどんなに心強いでしょう。また、共有することで、それが容易でないことを実感してもらえることでしょう。

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