休校中の学習・・・家庭で親が教えるべきなの?|アンダンテ西荻教育研究所

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休校中の学習・・・家庭で親が教えるべきなの?

3月上旬に始まった新型コロナウイルス感染拡大による休校が、かれこれ3か月。

私たちのもとには、この休校中の宿題に関して、保護者の皆様からの切実な声がたくさん寄せられています。

「子どもが学習にまったく取り組まない」「多すぎてとてもこなせない」「できないとかんしゃくを起こす」「そもそも習っていないところを宿題にされても一人で進められない」「親が教えるのは限界がある!」

特に、春休みが終わってからは宿題も「復習」の域を越えはじめ、最近はただ課題を与えるだけでなく「何日の何時に何をやる」といった時間割的なものまで用意する学校も増えているようです。

我が家の息子の通う小学校では、これまではメールで課題の連絡があったのですが、今週から親が取りに来るようにと方針が変わり、きのう学校に行ってきました。

(一律に取りに来いってなんだよ、ウェブサイトからダウンロードできるようにしてよ、こちとら在宅とて仕事があるんだ、小さい子が家にいる場合とかどうするんだ、・・・などなど、いろいろ言いたいことはあるのですが、本題から逸れるのでいったんおいとくとして)

受け取り場所に先生がいたので、きいてみました。

「子どもがわからなかったり、できなかったりしたら、どうしたらいいですか?」

先生のお答えは、こうです。

「その時は、できなかったことがわかるように、しるしをつけるなりして、そのまま提出してください。習っていないところを課題にしているのですから、わからない部分があって当然です。あとで教師がどこを授業で補うべきか把握したいので、お母さんが教えてやらせる必要はありません」

ですよね? ですよねっ?!

私、先生の両手をとって強く握手したい衝動にかられましたが、かろうじてソーシャルディスタンスを保ちました。

今朝も新聞のインターネット記事に「家庭に丸投げ無責任」なんていう見出しを見ましたが、実は学校の先生方には親に丸投げしようなんて気はないんですよ。前代未聞の今の状況の中、本当は学校で、授業を通して教え、子どもたち一人一人の反応を確認し、どの子が何に躓いているかを見極めて対応していく・・・そういう教師として当たり前の仕事をやりたいのにできないなか、いろいろ試行錯誤していらっしゃる。

ただ、教科書も学校のワークも、通常学校で配られるプリントも、基本的に一斉指導型の授業で子どもたちに教えながら/教えたうえで使うことを前提として作られているので、子どもが一人で進めていけるような教材にはなっていません。それを授業もうけていないのに宿題にされても自学自習で理解し自分のペースで進めていけるのは、ほんの一握りのお子さんでしょう。(丁寧な要点解説や基本問題で理解を深めたうえで練習問題へとステップを踏んでいく家庭学習用の教材とは内容構成が異なるのです)

では、おうちでお父さんお母さんが先生の代わりに教えるべきなのか?

いやいや無茶言わんといてください。ただでさえ、いつもなら家にいないはずの子どもが家にいて家事育児が倍になっているところに、親が勉強を教えられるほどヒマだなんて、学校の先生は思っていません。(もし思っている先生には、文句言っていいです) しかも、しょせん親は親であって、学習を教えることに関しては素人です。

ちなみに私は素人ではないですが、在宅ワークであろうとなかろうと、我が子の勉強を見る時間などひねり出せません!!!

親御さんに求められているのは、「教える」ことではなく、「自分でできるところを進めていく」ように声掛け、励ましをすることだと思います。そして、わからないところは、付箋を貼るとかマーカーでしるしをつけるとかしておけば良いと、お子さんに伝えてあげてください。

教育者は、子どもの学習の反応を見ながら、次の手を打つというのを繰り返します。(医者が、薬を出しても効果がなかったら別の薬や他の治療方針を考えるのと同じです)

ですから、うっかり親が子どもに正解を教えて、宿題のプリントを全部埋めさせるようなことをすると、学校の先生は提出されたものを見て「この子はできているから、フォローの必要はないな」と誤った判断をしてしまうかもしれません。子どもがわからない問題は、「わからなかった」と記しておきましょう。

一定の時間内にこなせなかったなら、徹夜作業で必死になって課題を終わらせる必要もありません。「このくらいの量は1週間でこなせるのだな。では、来週はもう少し課題を増やした方がいいかな?」と先生が思ってしまったら、地獄のような展開になってしまいます! 取り組んでも期日までに終わらせられなかったなら、「量が多くてできませんでした」とペタッとメモをつけて提出しましょう。

ただし、誤解のないよう補足すると、これは難しすぎたり、量が多すぎたことに対して学校にクレームを言うのとは違います。あくまでも「今回の課題は我が子にとってこうでした」という先生への「情報提供」です。なぜなら、クラスの子どもは一人ひとり状況が違うわけで、同じ課題が簡単すぎて時間を持て余してしまった子もいれば、こういう形の宿題ではうまく学習を進められない子もいるのが当然なのです。教室ではそうした個人差を先生が直接把握し、工夫しながら埋めています。今はそれができない環境ですので、自分の子どもの状況を正しく知ってもらうためには、担任の先生には実情を率直に伝えて相談するのが良いと思います。

教材や課題は「手段」であって、目的ではありません。休校中の宿題がお子さんに合わないようでしたら、お子さんに取り組みやすい形の学習の方法や教材を検討する必要もあるでしょう。まもなく緊急事態宣言が解除されたとしても、分散登校など段階的な再開になるでしょうし、コロナの第2波、第3波がきて再び休校になる可能性もあります。となると極端な話、これまでの常識だった学校教育の在り方には、もう戻れないように思います。家庭学習とどう連携し、どのように支援するか、学校の先生方には大きな課題が突き付けられています。

いえ、本当は、これまでだってそうだったんです。「宿題は、親が手伝ってでも最後までやって出すのが当たり前」という親・子ども・そして教員に刷り込まれた強迫観念によって、苦しんでいた子どもたちは昔からいっぱいいました。今こそ、大人が既成概念を取り払って、本当に子どもが「学べる」ための支援を一緒に考えるチャンスなのかもしれません。

 

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